ドイツ・ミュンヘン市で2年に一回開催される建築の総合見本市「BAU(バウ)」。世界の省エネ技術の先端を走る製品や技術が毎回展示・紹介されることで定評がある。今年1月に開かれた展示会は過去最高の25万人の来場者を集めて盛況のうちに終了した。会場を視察した建築環境デザイナーの小室大輔氏(一級建築士事務所エネクスレイン代表)によるリポートを2回にわたって紹介する。(編集部)


過去最高の来場者数を記録

 2年に一度、ドイツのミュンヘンで開催される建築総合展「BAU(バウ)」が、2015年1月19日から24日まで6日間にわたって開催され、入場者数は1964年の開催以来50年の節目を飾るにふさわしく、過去最高の25万人を初めて突破した。

ドイツのミュンヘンで開催された建築総合展「BAU(バウ)2015」の会場(写真:Messe München GmbH)

朝9時30分の入場開始に合わせて西側エントランスに集まった人たち。外は寒いが、一歩中に入ると熱気さえ感じられた。上部の横断幕には、すでに2年後の開催時期が示されている(写真:Messe München GmbH)

 ドイツ以外からの来場者数は7万人を超え、EU圏以外の建築さえも牽引する見本市としての地位を不動のものとし、次の半世紀を見据えて盛況のうちに閉幕した。

 入場を待つ人たちで埋め尽くされたエントランスホール。建築業界の繁忙期を避け、毎回1月に開催されるBAUの会場は、張りつめた冬の寒さとは対照的に、来場者の熱気と意気込みに包まれていた。

 ドイツ語で「建設」あるいは「建築や建造」という意味を持つ「BAU」という言葉をそのまま用いたこの建築総合展は、パリで開催される同様の展覧会である「BATIMAT(バティマット)」と並び、欧州でも最大級の建築見本市である。

 その規模や入場者数、そしてその内容を比較しても、もはやEUを代表する「建築の祭典」と位置づけられるだろう。

シューコ(SCHÜCO)社の展示会場(写真:小室大輔)

シューコ(SCHÜCO)社の展示会場には、連日、数多くの来場者が訪れた。ファサード構法に関する設計から、製品開発、施工に関する助言などを幅広く手掛けるドイツを代表する大企業である。説明を聞きたくても担当者を見つけることが難しいほど混雑していた。展示空間の上層部には顧客専用の打ち合わせ室や接待用のラウンジが用意され、どこも盛況であった(写真:小室大輔)

西エントランスの2階にあるVIPルームの視線防止用の縦ルーバー。完全に閉じてしまうのではなく、外部廊下とのつながりも意識しつつ、さりげない動きも見せるしゃれたデザインである(写真:小室大輔)

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