2020年東京オリンピックのために整備する主要な施設を木でつくろう──。そんな展覧会が9月5日から東京・南青山のスパイラルガーデンで始まった。展覧会のタイトルは「Timberize TOKYO 2020~都市木造が、2020年の東京を未来へつなげる。」だ。

 会場には「これならできるかも」と思える木の競技施設や選手村施設の提案模型がずらりと並ぶ。会期が9月15日(祝日)までと短いので、東京近郊に住む人で現代木造に興味のある人は急いで見に行くことをお薦めする。

会場の入り口近くにある有明ゾーンの模型群(写真:日経アーキテクチュア)

 展覧会の主催は、NPO法人「team Timberize(ティンバライズ)」。木造に関心を持つ若手の建築家や技術者を中心に結成された組織で、「伝統や慣習にとらわれることなく木造の新しい可能性を模索し、社会に広く提案」していくことを活動理念としている。理事長は東京大学生産技術研究所の腰原幹雄教授が務める。ティンバライズによる東京での大きな展覧会は、同じスパイラルガーデンで2010年5月に開催した「ティンバライズ建築展~都市木造のフロンティア」以来、4年ぶりとなる。

展覧会の案内状。背景の写真は、スパイラルガーデンで2010年5月に開催した「ティンバライズ建築展~都市木造のフロンティア」の会場風景(資料:team Timberize)

 ティンバライズのメンバーの1人、構造設計者の加藤征寛氏(MID研究所代表)によると、今展の準備を始めたのは今年の春ごろ。「2020年の東京五輪に向けてこれから都市が大きく変わっていく。その前に、ティンバライズとして都市における木の活用法を提案したい、とメンバーの意見が一致した」(加藤氏)

 展覧会の開催趣旨にはこうある。

 「これまで木造建築は、地産地消のもと森林資源の豊かな地域で積極的につくられてきました。しかし、森林を活性化させることは、その地域のみならず全国規模で考えていかなければならない問題です。特に、森林資源の恩恵を享受している都市部ではその積極的な活用が望まれます。

 2020年のオリンピックは、都市木造の可能性を考える貴重な機会と考えられ、実際に都市木造による街づくりが行われれば、オリンピックはもちろん、それ以降の都市の姿に大きな影響を及ぼすことになります。1964年のオリンピックがつくり出した近代都市としての東京は今や飽和状態に達し、その役割を終えようとしています。2020年のオリンピックは、これからの東京のあるべき姿を描き出し、新しい価値観を提示するまたとない機会です。

 本展覧会では、その一つの姿を模型や情報展示でご紹介し、それに加えて実物大木造スタンド、2000年以降に建てられた100の木造建築の模型を展示します。2020年という一つの道しるべに向かっていく動き(2014~2020)とそれ以降(2020~)を来場者の方に実感していただきます」

選手村などが建つ晴海ゾーンの模型群(写真:日経アーキテクチュア)

 それでは、彼らの提案を見てみよう。

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