アップル関連ハード/ソフト開発者向け説明会「WWDC 2014」が終わった。6月2日から6日まで100を超えるセッションスケジュールがびっしりと詰まった5日間が終わり、参加者はこれから、ここで入手した情報を元にアップル関連製品の開発にまい進することになる。

 発表内容は私のコラムのほか、ニュース記事に詳しいので、そちらに譲るが、セッションが進むにつれて意外なアップルの新方針が明らかになってきた。これまでは完全に秘密のベールに包まれていたセッション内容がほぼすべて一般公開され始めたのだ。この変化はMac誕生以来30年の歴史の中でも最も大きな企業戦略の変化と位置付けてもよい変化だ。

あれ? セッションビデオ全部が一般公開されている

 過去、アップルが開くWWDCは開発者契約をアップルと交わした後、初めて参加できる機密性の高いセッションだった。開発者契約を交わすと、それまでアップルのサイトなどで公開されている技術情報以外に、開発者のみに提供される情報開示を受けることができる。この契約をNDA(Non Disclosure:非公開 Agreement)契約といい、WWDCに参加する際の前提条件となっていた。

 WWDCにおけるNDA契約はさらに厳しく、その場でのセッションに参加したもの同士であっても、職場などで同一の開発プロジェクトに従事しているもの以外のメンバーにそこで得られた情報を話すことも禁ずる、というものだった。したがって、WWDC内でレクチャーを受けた技術情報を日本に持ち帰って、アップルとの開発者契約を交わしたもの同士がセミナーを開くなどは禁止されていた。

 したがって、たとえば、WWDCの一つのセッションで新しいハードウエアアプローチのロードマップがアップルから示されたので、日頃から協業関係にあるハードウエアメーカーを集めて新しい開発プロジェクトへの賛同を求める非公開セミナーを開く、といった企画は厳密に言うと禁止されていたのだ。

 ところが、WWDCセッションが進んで行くうちに次々にセッションの様子を記録したビデオ、プレゼンテーションスライドのPDFファイルが順次アップルのサイトにアップロードされ、開発者契約をしていない人でも自由に閲覧できるようになっていたのだ(図1)。

図1 https://developer.apple.com/videos/wwdc/2014/ で「一般公開」されているWWDC 2014のセッションビデオ。ズラリと107本。これはすごい!!
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