「こんなに気前よくサービスしちゃって大丈夫なのかなあ」と思ってしまうような、ありがたい企画を見つけてしまった。

 オランダの名門オーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は今年創立120周年を迎えた。ロイヤル・コンセルトヘボウといえば、多数の名盤やたびたびの来日演奏でその実力を証明している世界トップクラスのオーケストラ。そのコンセルトヘボウ管が120周年を記念して、ラジオ局Radio4のウェブサイト経由で10曲の交響曲のライブ録音を無料配布している。しかも、ストリームで聴かせてくれるのではなく、mp3をダウンロードさせてくれるのだ! これまでもいくつかのオーケストラや放送局がライブ音源をオンデマンドで聴かせてくれる企画はあったが、ダウンロードまで可能なサービスは珍しい。

 もちろんmp3なので、ダウンロードしたファイルはPCで再生することもできるし、携帯オーディオ・プレーヤーに転送して聴くこともできる。CDに焼いてもかまわない。なにしろ、CDに焼くユーザーのためにわざわざPDFファイルでCDジャケットまで用意されているのだ(表紙側の曲目解説付きの2ページと背表紙)。

 ラインナップも大変魅力的である。ライブ録音なので客席のノイズも入っているが、演奏内容はCDショップで販売されていてもおかしくないものばかり。以下にそれぞれの曲名と指揮者名、および収録年を記しておこう。

  • 1. シューベルト:交響曲第8番(第7番)「未完成」  ニコラウス・アーノンクール指揮(1997年)
  • 2. ベートーヴェン:交響曲第2番 マリス・ヤンソンス指揮(2002年)
  • 3. メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」 キリル・コンドラシン指揮(1979年)
  • 4. フランク:交響曲ニ短調 マリス・ヤンソンス指揮(2004年)
  • 5. マーラー:交響曲第1番「巨人」 レナード・バーンスタイン指揮(1987年)
  • 6. ドヴォルザーク:交響曲第8番 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮(1990年)
  • 7. サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」 チョン・ミョンフン指揮(2005年)
  • 8. シベリウス:交響曲第2番 マリス・ヤンソンス指揮(2005年)
  • 9. ブルックナー:交響曲第8番 マリス・ヤンソンス指揮(2005年)
  • 10.ブラームス:交響曲第2番 マリス・ヤンソンス指揮(2004年)
  •  ちなみにマリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は今週より来日ツアーを開催中だ。同コンビの近年の充実ぶりをこれらのライブで一足先に確かめるのも吉。往年の巨匠指揮者を聴きたいのであれば、強烈な統率力を発揮したコンドラシンのメンデルスゾーン、あるいはバーンスタインの燃え上がるようなマーラーを聴いてみてはどうだろう。また、CDでもおなじみのコンビであるが、聴きなじんだはずの曲が初めて聴く曲であるかのように響くアーノンクールの「未完成」もすばらしい。

     おっと、大事なことを。上記の音源は11月24日までの期間限定で公開されている。また、ダウンロードの際には簡単なユーザー登録が必要になる(英語ページあり。オランダ語だけじゃなくてよかった!)。入力項目は意外と多く、はるか極東のユーザーに電話番号まで尋ねてどうするの?という気もするけど。
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