さて最初の実験である。代表的なベンチマークソフトの一つ「PCMark 05」(Futuremark)で速度を測定した。結果をまとめたのが下の図である。いくつかあるテストのうち「General Usage」と呼ぶ項目をグラフで示した。General Usageは、「Wordを起動して文書を読み込み文法チェックする」といった一連の作業を11項目連続して実施した場合の処理速度。具体的には、ハードディスクのデバイスドライバーがデータを処理するスピードを計測している。ReadyBoostによって、ハードディスクへのアクセス回数が減るため、同じデータを処理するのにかかる時間が短くなり、スピードは向上するはずだ。

 しかしながら、明らかに高速化したと判断できるのは、旧型パソコンでメインメモリーが512MBしかない場合だけだった。約3倍に処理速度が向上している。その速度は、メインメモリーを1GBに倍増した際に匹敵するほど。最新型パソコンについては、効果がほぼゼロといってよい。PCMarkは処理が重いプログラムなので、キャッシュとして割り当てる容量を増やせばより速くなると見込んでいたが、期待は見事に裏切られた。USBメモリーが512MBでも4GBでも大差はない。

【実験その1、ベンチマークソフト「PCMark 05」の実行結果】
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メモリー追加の方が速くなる

 PCMarkは、あくまでハードディスクの入出力部分での速度を測るものであり、体感速度とは必ずしも一致しない可能性がある。そこで2番目の実験として、アプリケーションソフトの起動時間を測定した。用いたのはフォトレタッチソフト「Photoshop CS3」である。約35MBの画像ファイルを6枚同時に読み込みながら起動させ、かかった時間をストップウオッチで手動計測した。1回目の起動だけでなく、2回目の起動についても測った。プログラムが巨大な上に、合計210MBもの画像ファイルをメインメモリーに読み込む。この状況下なら、スワップアウトが発生する可能性が高い。

【実験その2、「Photoshop CS3」で画像ファイルを開くのにかかった時間】
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 結果はご覧の通り(上図)。パソコンの新旧を問わず、ReadyBoostを活用した方がわずかに素早く起動するものの、体感できるほど速くはならなかった。グラフには示していないが、仮想メモリーのキャッシュの割り当て容量を増減させても、状況は変わらない。

 実験で明らかになったのは、ReadyBoostで仮想メモリーのキャッシュを増やしたからといって、同じ容量のメインメモリーを増やしたのと同じ効果を期待するのは間違いということ。メインメモリーを倍増させた方が高速化する。

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