メモリーを選ぶ際のポイントは何か。最も重要なのは「信頼性」だ。いくら高速だといっても、エラーが出ては何にもならない。また、安いからといって、名も知らないようなメーカーのバルク品を選ぶと、後で泣きを見る場合もある。

 一口にバルク品と言っても、いろいろなものがある。例えば、動作検証などをまるで行っていないものもあれば、未検査品と呼ばれるウエハー状態のDRAMをモジュールメーカーが独自に検査してパッケージングしているものもある。ちなみに、いわゆる箱売りの製品は、DRAMチップメーカーが検査を行い、チップメーカーの刻印があるチップを使っている。

 ただし、バルク品だからと言って必ずしも粗悪品とは限らない。DRAMチップメーカーが検査していないといっても、モジュールメーカーが行う検査の方が過去の経験や実績から、より厳しいものになる場合もある。そうした製品を使う限りはトラブルが起こることは少ないはずだ。問題はそういった製品ばかりではないことだ。

オーバークロックのために
スタブ抵抗を外す製品もある

 そもそも、モジュールを規格通りにきちんと作っているかどうかも、メーカーによって異なる。メモリーの規格は米国の業界団体、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)が定めている。策定した設計仕様通りに作ったレファレンス基板のことを「JEDECガーバー」と呼んでおり、メーカーはこれを基にDIMMを製造すればよい。ところが、より効率良く製造するために、JEDECガーバーが持つ機能を省くことがある。中には動作の安定化に本来必要な機能を省いているものもあるのだ。

 より詳細に見ていこう。DDR SDRAMには表1の通り、4種類の規格がある。DRAMレベルでは互換性があるが、DIMMレベルでは厳密には異なる仕様となっている。例えば、DDR333以降のDIMMには、アドレス/コマンド信号に「スタブ抵抗」が追加されている。

 DDR SDRAMは動作周波数を高めることで高速化してきた。DRAMは信号の電圧レベルが「High」なのか「Low」なのかで「0」か「1」かを判別するが、高速化に伴い、信号が高速に振幅できるようドライブ能力を上げてしまうため、「オーバーシュート」「アンダーシュート」という現象が発生するようになった。オーバーシュートというのは、供給する電圧がHighの既定値を超えてしまうこと。逆にLow以下に突き抜ける場合がアンダーシュートだ。

 オーバーシュート、アンダーシュートが大きくなると、DRAMチップそのものを破壊したり、配線の分岐点(スタブ)で信号の反射が起きる可能性がある。反射はエラーの原因となるため、取り除かねばならない。そこで追加したのがスタブ抵抗である。

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