NTTドコモは5月10日,2004年度(2004年4月~2005年3月)のグループ連結決算を発表した。売上高は前年同期比4.0%減の4兆8446億円,営業利益は同28.9%減の7842億円。過去最高の業績となった2003年度から一転して減収減益だった。

 減収の最大の要因は,通話料やパケット通信料の割引サービスを大幅に拡充したこと。同社はKDDIと加入者獲得を激しく競う中,複数回線割引サービス「ファミリー割引」の割引率拡大やパケット通信の定額サービス「パケ・ホーダイ」の導入などのてこ入れ策を相次いで実施。これにより年間加入者純増シェアは前年度の36.5%から48.7%に改善したが,携帯電話事業収入は約2000億円減少した。

 また営業利益については,携帯電話事業の収入減に加え,撤退を表明したPHS事業について減損損失を604億円計上したことや,第3世代携帯電話サービス「FOMA」の端末調達費用などがかさんだために減益となった。なお,当期純利益については米AT&Tワイヤレスの株式売却益を計上したため,前年同期比15%増の7476億円となった。

 NTTドコモは今後,FOMAに経営資源を集中する。具体的には「2005年度末の加入者数は5070万。このうちFOMAだけで約半数の2410万加入を占める」(NTTドコモの中村維夫社長)計画である。

 2005年度の業績については,料金値下げ競争が続くと見ており,連結売上高は前期比0.8%減の4兆8050億円と予想。これをFOMA端末の販売収入増などによりカバーし,営業利益は同3.3%増の8100億円と見積もる。ただし純利益は33.5%減の4970億円にとどまる見通しだ。

 

(高槻 芳=日経コミュニケーション