ブラック現場と決別する残業ゼロの活動を盛り上げるには、“遊び”の要素もぜひ取り入れたい。遊びがあることで、活動を続ける間に閉塞感を感じにくくなる効果が見込める。例えば、ノー残業デーに残業してしまったら「恥ずかしいマント」を着なくてはいけないルールを取り入れた現場や、「カエルコール」と呼ぶチャイムを導入した現場がある。

事例3
業務計画を毎朝全員にメール
セントワークス 小和田 和良氏らのチーム

 業務スケジュールの見積もりが甘く、いつも遅れて残業になる―。そんな状況を克服したいなら、介護事業者向けシステムを開発・運用するセントワークスの小和田 和良氏(ITソリューション部 Suisui担当 主任)らのチームの仕組みが参考になる。

 小和田氏らは、堅実な対策と遊び心のある対策を取り混ぜ、残業漬けの状態から脱出した。具体的には、2年間でチームの月間平均の残業時間を2割削減している。

朝夜のメールで計画への意識

 堅実な対策は、始業時と終業時に作成する2種類のメールである。それぞれ「朝メール」「夜メール」と呼ぶ。

 朝メールはその日にこなす業務のスケジュールを最短15分刻みで記述し、チーム全員に送信するもの(図5)。メンバーは計画通りに業務を進めようという責任感を持つほか、メールを受信したリーダーは必要に応じて優先順位などをアドバイスする。

図5●メンバーが当日のスケジュールをチーム全員に送信
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 一方の夜メールは、振り返りの目的で作成するもの。実際にかかった業務時間と、朝メールで送った予定を比較し、ずれていた場合は理由を書く。夜メールも朝メールと同様、チーム全員に送信する。

 メールを受け取ったリーダーは、少なくとも1人のメンバーにコメントを返信するルールも設けた。読んでいることをメンバーに伝え、継続して取り組む意欲を高めるためだ。実際、この仕組みを2年間継続したことで、「どのメンバーも業務時間の見積もり精度が当初より高まった」(小和田氏)という。これで、見積もりの甘さによる残業発生は少なくなった。

 さらに小和田氏らは、業務の所要時間を月次で集計し、それをベースに残業削減につながるアイデア会議を行っている。その名はずばり「カエル会議」。月1回のこうした取り組みも、残業ゼロに貢献している。