[マネジメント] 国際資格で越える文・理の垣根

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溝淵 真弓氏(39歳) 国際航業技術本部地理空間サービス部
西日本空間ソリューショングループ
グループ長

主な保有資格
PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)、GIS上級技術者、地理情報標準認定技術者、経済学博士

 文系の学部や学科を卒業した建設関係の会社の社員は、営業や総務、広報といった間接部門で働くことが多い。しかし、大学と大学院で国際経済を専攻した国際航業の溝淵真弓氏は事業推進に直接携わる部署にいる。現在の肩書は、技術本部地理空間サービス部の西日本空間ソリューショングループグループ長だ。

 就職先選びで国際航業のほかに検討したのは、国際協力機構や民間のシンクタンクだった。建設コンサルタント会社である国際航業を最終的に選んだのは、「まちづくりなどのインフラのプロジェクトに関わりたい」という思いからだという。理系の技術者ではなくマネジメントの担当者として関わることを早くから考えていた。

 「海外のインフラのプロジェクトでは、設計や施工などの技術者とは別に、経済的な視点を持つマネジメントの担当者が参画するのは普通のこと。まずは主に海外で仕事をしたいと考えていた」(溝淵氏)

 入社後もその思いを抱き続け、2011年に米国のPMI本部が認定する国際資格のPMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)を取得した。ソフト、ハードを問わないプロジェクト管理者の資格で、PMI日本支部によると、日本国内には15年10月時点で約3万人の保有者がいる。大半はICT(情報通信技術)関連の会社に勤める人だが、建設関係者も数パーセントいる。

溝淵氏が保有するPMPの資格証(資料:国際航業)
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自治体のGIS導入などで活躍

 現在、溝淵氏がPMPを活用する機会は、国内で自治体にGIS(地理情報システム)を導入するプロジェクトが中心だ。システムを構築する社内の測量部門の担当者と組み、業務遂行の司令塔役を担う。

 国際航業技術本部で地理空間情報担当の事業リーダーを務める竹本孝氏は、「住民サービスに直結するGIS導入などのプロジェクトでは、高度なマネジメント能力を求めて、PMP保有者の配置を要件とする行政機関が増えている」と指摘。社内に数人しかいない保有者である溝淵氏への期待を示す。

 そうした期待に応えて奮闘する溝淵氏だが、入社時に描いていたまちづくりに携わる夢も捨てていない。

 PMP取得前に東南アジアで工業団地を整備するプロジェクトを担当した際に、現地に上水道を導入する範囲を採算などを考慮して検討する業務に参画した。「PMP保有者にふさわしい高度なリスク管理能力が問われる業務だった。今後は同様のプロジェクトをリーダーとして切り回してみたい」と溝淵氏は語る。

出典:日経コンストラクション 2016年2月4日公開 特集 攻めの資格活用
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。