[地盤] 今後の展開見据えて幅広く取得

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瀬原 洋一氏(55歳) 常盤地下工業取締役

主な保有資格
技術士(建設/土質および基礎、河川、砂防および海岸・海洋、総合技術監理/建設)、RCCM(土質および基礎、下水道)、測量士、コンクリート診断士、コンクリート構造診断士、一級土木施工管理技士、地質調査技士

 技術士や地質調査技士などの資格に加え、夜間大学に通って工学博士の学位まで取得したのが、常盤地下工業(山口県宇部市)の瀬原洋一取締役だ。山口県内の工業高校を卒業した後、さく井工事や地質調査などを手掛ける同社に就職。それから様々な資格に貪欲にチャレンジしてきた。

 「優秀な高校、優秀な大学を出た奴には絶対に負けないぞと、必死にかじりついてきた。努力すれば、必ず自分に返ってくるという信念があった」。

 高校時代は野球に明け暮れ、あまり勉強はしなかったという瀬原氏。「社会人になってから、このままではいけないと思い、勉強したい気持ちが強くなってきた」。入社半年後、当時の社長から夜間大学に通うことを勧められ、学ぶことを決心した。

 資格に関しては、大きな目標としたのが技術士だ。技術士を先に見据えながら、その登竜門が一級土木施工管理技士や地すべり防止工事士だと考えて取り組んだ。

 瀬原氏は、資格取得に向けた勉強を通じて、プレゼンテーション能力が高まったと感じている。記述式試験に取り組むことで、相手に分かりやすいように、論理的に文章をまとめる力が付いた。

 「記述式では、試験官に読んで理解させる必要がある。日常の業務も同じ。例えば、なぜこの結論に至ったのか。こういう条件だからこのようにしたと、相手が納得できるように説明しないといけない」。

 会社の今後の事業展開を考えて、地質関係に限らず様々な資格を取得している。

狭い専門分野だけでは生き残れない

 「当社では、工事や調査のほか、ソフト部門の解析や橋梁の設計なども手掛けている。地方で生きていくには、幅広く業務をカバーする必要がある」と瀬原氏は言う。地方の会社の場合、地元からの発注量自体が多くないので、狭い専門分野に固執していては生き残れない。

 業務を広げるには、バランスよく資格を取り、知識も増やしていくべきだと考えている。例えば、維持管理の重要性が高まっていることを受けて、コンクリート診断士の資格を取得した。

 昨年はコンクリート構造診断士も取得。今年は、技術士建設部門の「鋼構造およびコンクリート」にも挑戦してみるつもりだ。

 現在は会社の幹部として、部下に資格取得を促す立場でもある。ただ、「資格を取れ」と一方的に命じるわけではない。「俺も頑張るから、お前も頑張って結果を出せ」。こう話しながら自ら手本を見せ、部下にハッパを掛けている。

山口県コンクリート診断士会が開いた受験講座であいさつする瀬原氏。瀬原氏は同会の会長を務める。資格を通じた活動が人脈を広げるのに役立っている(写真:山口県コンクリート診断士会)
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出典:日経コンストラクション 2016年2月4日公開 特集 攻めの資格活用
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。