ポイント2 負荷を見える化する

 若手を含めた働き方改革は長時間労働の是正につながる半面、ともすれば会社や工事現場の生産力低下を招きかねない。働き方改革と同時に生産性向上を実現するためには、どこでどのような負荷が生じているのか、現状の課題を前もって明らかにしておく必要がある。

 15年12月の労働安全衛生法の改正で、50人以上の事業所を対象に実施が義務化されたストレスチェックもツールの1つだ。建設業労働災害防止協会(建災防)は工事現場に即した調査・分析方法を考案。簡単な無記名アンケートに答えるだけで、現場の問題点を浮き彫りにできる。

 鉄建建設は今年1月、東京都町田市内の現場でストレスチェックを実施した。アンケートでは「非常にたくさんの仕事をしなければならない」といった仕事の量的負担や、「自分のペースで仕事ができる」といった仕事のコントロール(自由度や裁量度)について、元請け会社の職員と下請け会社の作業員などに質問。さらに、「上司や職場の同僚は頼りになるか」なども尋ねた(図4、写真3)。

図4 ■ ストレス調査票
23項目の選択問題で構成する(資料:鉄建建設)
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写真3■ ストレスチェックの調査票に無記名で回答してもらい、所属会社ごとの傾向を分析した。回答に要する時間は10分ほど(写真:鉄建建設)
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 アンケートの結果は、「ストレス判定図」に回答者の所属会社ごとに集約した(図5)。自分でコントロールできない仕事を大量に抱えていたり、上司や同僚から支援を受けられなかったりする場合、高ストレスとなり、健康問題が起こりやすくなる。

図5 ■ 工事現場におけるストレス判定図
[仕事の量とコントロール]
(資料:鉄建建設)
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[職場内の支援]
(資料:鉄建建設)
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 先の現場では、元請け会社の職員が大量の仕事を抱えて高ストレスになっていることが判明。また、一部の下請け会社の作業員は、上司や同僚から十分な支援を受けられていない実態が明らかになった。