2016年10月17日(月)にTSUTAYA ROPPONGI TOKYOにて対談イベント「世界の事務所で味わう真剣勝負」を開催する。アラップ構造エンジニアの金田充弘氏と、吉村靖孝建築設計事務所の吉村靖孝氏を迎え、海外事務所の面白さや勤務時の苦労、最新プロジェクトなどを語ってもらう。イベントに先立ち、金田氏が見たレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップ(RPBW)の仕事の進め方について2回にわたり紹介する。今回はその後編だ。

 今や国内外で引っ張りだこの人気構造家といえるのが、アラップシニアアソシエイトの金田充弘氏だ。最近では、9月30日に台湾・台中でオープンした伊東豊雄氏設計の「台中国家歌劇院」の構造も手掛けた。

アラップシニアアソシエイトの金田充弘氏。2002年に東京・銀座の「メゾン・エルメス」で松井源吾賞を受賞し、現在は東京芸術大学美術学部准教授も務める(写真:日経アーキテクチュア)
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 実は金田氏、「大学を卒業したとき、アラップとレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップ(RPBW)で就職先を迷うほど、レンゾ・ピアノの建築が好きだった」と言う。1996年にアラップに入社すると、レンゾ・ピアノ氏の建築を担当する幸運は意外にもすぐにやってきた。

 レンゾ・ピアノ氏が「メゾン・エルメス」(東京・銀座)の構造設計をアラップに依頼したのは97年ごろ。金田氏がアラップのロンドン事務所に勤務し始めたばかりの時期だ。メゾン・エルメスの現場は日本で、当然、耐震設計が求められた。金田氏がレンゾ・ピアノ氏に興味を持っていることは社内で知られていたので、メゾン・エルメスを担当しないかと声が掛かった。