「ITに全く関係ない分野からITに飛び込んで活躍しているエンジニア」や「非エンジニアながら、プログラミングを仕事に生かしている人」など、IT技術における何らかの“越境”を経験している人を「越境エンジニア」と名付け、1カ月に一人ずつインタビューを掲載する。今月取り上げるのは、ウェルスナビ 代表取締役CEOの柴山和久氏。同社はロボット(プログラム)による資産運用の自動支援サービスを提供している。柴山氏は、プログラミングを一から学び、提供したいサービスのプロトタイプを自ら作って起業した。今回は、プログラミングを学ぶきっかけや学んで得たことを聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経NETWORK)


 プロトタイプを自分で作ることにしたのは、二人のCTO(最高技術責任者)に背中を押されたからです。

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 一人は、グリーのCTOをしている藤本真樹さんです。高校の1年後輩になります。私はマッキンゼー出身なので、PowerPointのプレゼン資料を作って持って行きました。ところが反応がよくない。彼には全く刺さらないようでした。「これくらいだったら柴山さんでも作れますよ」と言われました。

 もう一人がウォンテッドリーのCTOの川崎禎紀さんです。同じ高校でおそらく3年後輩だと思います。川崎さんには白金のレストランで説明しました。一緒にランチしている間は普通のアドバイスでした。

 ところが別れ際に白金の交差点で、たぶん意を決しておっしゃったと思うんですが「柴山さん、そんないかにも財務省やマッキンゼーみたいな格好だとエンジニアは誰も助けないですよ。スーツはジーンズの敵ですから」と言われてしまいました。私は川崎さんに会うためにわざわざスーツに着替えて行ったのですが、「自分は敵なのか」と新鮮な驚きでした。まさかその方向からそういうアドバイスが来るとは。