ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
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 「品質管理」と聞くと、難しい統計学や複雑な手法をバリバリと駆使しているイメージが湧くかも知れません。しかしこれらはあくまでも目的を達成するための「手段」なので、初めて品質管理を学ぶ人は、まずは本来の「目的」を押さえておくことが大切です。

 品質管理の最上位の目的は、「いつでも誰でも良品を安定して造れる現場をつくること」です。これをもう一段ブレイクダウンすると、品質を維持・改善するための「検査」と「予防」を効率よく行うこと、になります。

 「検査」は、良品と不良品(不適合品)を選別することです。これにより、お客様に不良品が渡ることを防ぐことができます。それだけではなく、前工程の受け入れ検査や中間検査で不良品を除去することにより、不良品にさらに加工を加えるムダを省くことができます。この検査はとても大切な作業ですが、あくまでも良品と不良品を分けるだけなので、不良は今まで通りに造り続けることになります。

 そこで「予防」を行います。そもそも不良品を造らない強いものづくり現場を目指します。すなわち、「検査」と「予防」の2本立てでものづくりを行っていきます。予防を行う際に役立つのが、検査で入手した情報です。どの工程で、どういった不良が、どれくらいの頻度で発生しているのか、これらの情報を予防に活用します。

 品質は、維持することも改善することもとても難しい。だからこそやみくもに取り組むのではなく、最短距離で効率よく解決する。それが品質管理の知識を習得する狙いです。私たちの先輩方がこれまでいろいろな取り組みや苦労を重ねてきた中で、この考え方やこの方法がお薦めですよ、とまとめた集積が品質管理の知識に凝縮されているのです。