ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
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 前回まで「材料知識を学ぶコツ」をお伝えしました。今回は「固有技術」のうち2つめである図面に焦点を当て、「図面の読み方を学ぶコツ」を紹介します。

 ものづくりは、何を造るのかを「考えて」、その考えた通りに「造り」ます。考える人と造る人が同じならば、メモ程度で十分でしょう。しかし、工業製品は工程数が多い上に、数もたくさん造るため、分業によりものづくりを行っています。その分、設計者が頭の中で考えたことを、第三者に伝えなければなりません。この情報の伝達手段が「図面」になります。

 図面を読むのは、現場の加工者だけではありません。材料や部品の発注を行う資材購買部門や、品質を保証する品質管理部門、効率の良い生産計画を立てる生産管理部門、そしてお客様との接点である営業部門の社員も、図面の情報を読み込むことで職務を遂行しています。

 こうした背景から、「図面を描く」のは設計者が主となりますが、「図面を読む」のは広い職種で必要になるのです。このように幅広い職種が使うのですから、情報を図面に表すルールが決まっていないと、描き手も読み手も大変です。そこで「JIS規格(日本工業規格)」という国家規格により、ルールが定められています。図面知識の習得は、このJISの製図規格を理解することになります。

 では、図面にはどのような情報が盛り込まれているのでしょうか。

 図面では「ものの形」を図で表し、「寸法や表面の粗さ、材質といった情報」は数字や記号で表しています。「ものの形」は3次元の立体形状を(紙面やディスプレー上などに)2次元で表すために「第三角法」という図法で描かれています。

 でも、こうしたときに私たちはよく「ポンチ絵」や「マンガ図」などと呼んでいる「立体図」を使っていますよね? この立体図は特に見方を学ばなくても自然に形をイメージできる便利な図法であるにもかかわらず、図面では使いません。なぜ図面では「第三角法」を使うのでしょうか。