長年蓄積してきた技術ノウハウを、少子高齢化が進む地方支援に活かす

 1949年の創業以来、自動車用電装部品の研究開発・製造販売の分野で成長を続けてきたデンソー。その販路は国内のみならず、アメリカ、ヨーロッパ、アジア等にも現地法人を設立し、世界の主要な自動車・輸送機器メーカーに広く製品を供給している。

 近年では自動車用電装部品の研究開発、製造で培った技術やノウハウを活かし、生活・産業関連機器といった非自動車分野へも積極的にビジネスを広げている。そうした新規事業の1つが情報ソリューション事業であり、デンソーが有する技術ノウハウと最先端のICTを融合することで様々な社会課題を解決するため、2014年から提供を開始したのが、地域情報配信システム「ライフビジョン」だ。

 現在、日本国内では少子高齢化が社会問題となっているが、特に地方においては都市部への人口流出等により若年層の人口減少が加速。様々な行政・民間サービスを享受することが困難となっており、地方の高齢者の暮らしを支える仕組み作りが急務の課題となっている。

 そうした課題を解決するために開発されたのがライフビジョンだ。タブレット端末やスマートフォンの活用により、地域情報の配信や防災情報の提供をはじめ、高齢者支援のための見守り機能など、多彩なサービスの利用を可能としている。

株式会社デンソー 新事業推進部 情報ソリューション事業室 担当次長
杉山 幸一 氏

 デンソー 新事業推進部 情報ソリューション事業室 担当次長の杉山幸一氏は、「地方のコミュニティにおいて情報のやり取りは生活基盤そのものです。しかし、現状のコミュニケーション基盤は音声情報のみの提供が実態です。対して、音声だけでなく、文字や写真なども組み合わせれば、より分かりやすく円滑な情報のやり取りが可能となります。さらにタブレットやスマートフォンを用いれば、テレビ電話による会話や乗り合いタクシーの予約など、様々なサービスも利用できるようになります。そうしたことから2011年より新規事業として企画化を進め、各地方自治体との実証実験を経て、2014年から本格的にサービスを開始しました」と説明する。

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