現場や経営層の要望だけに振り回されてはいけない

 「データ経営」が企業の関心事となるなか、社内各所の要望を聞きながらBIツールの選定を進める情報システム部門は多いだろう。

 例えば、経営層に提出するレポートを作成する現場部門は、「高度な分析ができ」「美しい資料が作れる」システムが欲しいと希望を出してくる。良い資料を作って上長に褒められたい。これは当然のことだ。

 一方、社長はとにもかくにも結果ありき。欲しい数字や、意思決定の材料となる情報が速やかに得られて、「売上増」「コスト削減」といった成果につなげることができれば、そのBIは優れたツールだと評価するはずだ。

 だが、ここで忘れてはいけない点がある。たとえ現場や経営層の要望を満たしていても、情報システム部門自身の首を絞めるようなツールは、絶対に導入すべきではないということだ。

 例えば、現場部門が行うレポート作成。作業に当たっては、データをシステムから抽出する必要がある。ところが、現場が容易にデータにアクセスできないシステムであれば、結局、「データを抽出し現場に提供する」という業務が情シスに降ってくる。毎月、大勢の部門担当者から、「あのデータを○○形式で」「期限が迫っているから今日もらえないか」といった要望が寄せられる。これでは、現在行っている“Excel分析”と、何ひとつ変わらない。

 経営者からは「AI/IoTなどの先進技術を取り入れ、ビジネス貢献度を高めろ」という指示も来る。また、アプリ更新やIT資産の管理、現場の問い合わせ対応といった日常業務も山積みだ。やるべき仕事がどんどん増えつつある状況で、さらに負荷を高めてしまうBIを、本当に長く使っていけるのか。

 大事なのは、現場・経営・情シスの3者が、いずれもハッピーになれるBIツールを選ぶことだ。そのポイントはどこにあるのか?

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