担当者のスキルに依存した属人的な営業がもはや通用しない時代に

 「サービスや商品はよいはずなのに、売り上げに結び付かない」「高い技術はあるのに、モノが売れない」といった悩みを抱える企業は少なくないはずだ。その一方では、卓越したサービスや製品を持たずとも、売り上げ目標を達成している企業もある。

 両者の「差」はいったいどこにあるのか。その大きな要因の1つが「営業力」である。ただし、営業力というのがなかなかのくせ者だ。顧客に対してどのようなアプローチをとるかは、各営業担当者に委ねられていることが多いからだ。つまり、どうしても属人的な営業に陥り、全体が見通せないのである。

 例えば貴社の現場では、こんなシーンが繰り広げられたりしていないだろうか。

ケース1・現在、各営業担当者がどの顧客に対し、どんなアプローチをするのかがわからない

 これで困るのは、「どういう問題が発生していて、どういうステータスで停滞しているのか」といった現状が、日報や週報などでレポートされるまでわからない。さらに、報告のタイミングが遅かったり、場合によっては報告すべき内容が十分でなかったりすることもある。

ケース2・業績報告や戦略会議が、数値報告の場になっている

 本来ならば、ビジネスの状況に応じた、次のアクションや全体的な方針についての意思決定を行う場であるはずの会議が、業績など数値の報告に終始している。しかも、そこで扱われる数値も、その根拠があいまいだったり、不明瞭だったりということも少なくない。さらに問題なのが、そうした資料作りの作業が営業担当者の大きな負担となっていて、顧客に対するアクションが遅れるといった、本末転倒の事態を生んでいる。

ケース3・場所や時間に縛られて、働き方改革どころではない

 働き方改革が掛け声ばかりで、進んでいないケースがこれだ。結局、営業担当者による日報作成やステータスの共有が、夕刻以降に会社に戻って行われている。特に担当者が中途採用だったり、若手だったりする場合は、その日の営業プロセスの是非を会社に戻ってから行うため、営業担当者、営業マネージャーともに場所に縛られてしまい、生産性向上どころではない。

 もし、1つでも当てはまっているなら要注意だ。こうした属人的な営業スタイルや、根拠の薄い数値に縛られるモヤモヤ営業は、もはや通用しない時代になりつつあるからだ。「顧客が何を望み」「どんな課題や悩みを抱え」「どのようなビジネスプランや予算を持っているのか」――。こうしたことを把握し、戦略的な営業を実践するには、顧客や商談にかかわる情報、あるいは様々な営業上のノウハウなどの可視化・共有化を図り、個々の営業担当者の活動を組織的に支援していくことが必要だ。事実、高度な営業力を備え、ビジネス競争に打ち勝つことのできる企業は、こうしたことをきちんと実践しているのである。

 では、そうした“モヤモヤ”した属人的営業から、“スッキリ”した組織的な営業スタイルに進化させるためにはどんな仕組みが必要なのだろうか。

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