5G の超低遅延を活用した知的交通インフラの構築に向けて

〜センサ内蔵電子カーブミラーの情報をワイヤレスでデータ収集、道路環境を把握〜

 

【ポイント】

 ■複数のセンサ情報を無線システム(5G を想定)で収集/統合し道路環境をリアルタイムに把握

 ■センサを内蔵した「電子カーブミラー」で車等の位置や速度などを認識

 ■工事の回避や車の飛出し予測などを支援する自律型モビリティの知的交通インフラに期待

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長:徳田 英幸)ワイヤレスネットワーク総合研究センターは、第5 世代移動通信システム(5G)の超低遅延通信(*1)等を活用した知的交通インフラの構築に向けて、横須賀リサーチパーク(YRP)に交差点を模擬した試験環境を構築しました。

 本環境下において、カメラ/センサ内蔵の「電子カーブミラー(*2)」を活用することで、高度地図データベース(ダイナミックマップ)(*3)に反映を想定した時々刻々と変化する道路状況の情報を収集・統合することにより、見通しが悪い交差点付近の道路環境をリアルタイムに把握可能であることを確認しました。この成果により、工事の回避や車の飛出しの予測などを支援し、今後普及が予想される自律型モビリティ(*4)システムを実現する知的交通インフラの構築が期待できます。

 ※本成果の一部は、2017 年度に総務省から受託した「膨大な数の自律型モビリティシステムを支える多様な状況に応じた周波数有効利用技術の研究開発」により実施したものです。

【背景】

 近い将来、膨大で多様な自律型モビリティの普及が期待されており、それを支える高信頼な知的交通インフラが求められています。道路では、渋滞、規制、工事等の多様な組合せの中で様々な移動体が動いており、自律型モビリティによる交通を実現するためには、周辺環境を正確かつリアルタイムに把握する必要があります。そのため、多数のセンサ情報を無線通信により、収集して高度地図データベース(ダイナミックマップ)を構築する技術の確立が求められています。また、5G の超低遅延等、NICT においても関連技術の研究開発を実施している様々な無線システムの利用可能性を評価するため、性能を定量的に測定する環境が必要でした。

 *図は添付の関連資料を参照

【今回の成果】

 NICT は、5G を想定した無線通信を用いて、横須賀リサーチパーク(YRP)内に模擬交差点の試験環境を構築し、以下の内容を開発・確認しました。

 ・設置された電子カーブミラーには、センサとしてステレオカメラとLRF(レーザ測距器)(*5)が内蔵されており、車等の移動体や障害物の位置、速度、種類等をリアルタイムに認識

 ・画像圧縮や切出し等の情報処理によりデータ量を削減した後、5G を模擬した無線システムによりエッジサーバにセンサ情報を送信

 ・センサ情報のダイナミックマップへの反映を想定し、エッジサーバでは、複数のセンサ情報から特徴量(位置、速度、種類など)を抽出して道路環境の変化を認識

 ・無線通信に起因する伝送時間の差異を吸収するため、認識した情報にはセンサ間で同期されたタイムスタンプを付与。エッジサーバにおいて、センサ情報が統合され、同時刻の道路環境のスナップショットを生成

 これらの結果により、データ量の削減によって無線資源を効率的に利用しながらも、多数のセンサを活用して道路環境を高信頼に把握できることを確認しました。

 *以下は添付リリースを参照

 

 リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0479820_01.jpg

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0479820_02.pdf