IoTデータ処理を継続しながら変更できる

ストリームデータ処理アーキテクチャー「Dracena」を開発

コネクテッドカーなどへのリアルタイムサービスの提供と改善を迅速に実現

 

 株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)は、大量のIoTデータ処理を停止させることなく処理内容の追加・変更を実行できるストリームデータ処理アーキテクチャー「Dracena(ドラセナ)」(Dynamically−Reconfigurable Asynchronous Consistent EveNt−processing Architecture)を開発しました。

 近年のIoT技術の進展により、工場、社会インフラ、家庭などに設置された様々な機器からクラウドに流入する大量データをリアルタイムに活用するサービスの実現が期待されています。コネクテッドカーでは自動運転の実現に向けて、速度や位置など車両から出る大量データを分析し、危険情報などをドライバーにフィードバックすることが検討されています。

 このような大量データの高速処理に有効なストリームデータ処理技術では、サービスの追加や改善にあわせて処理内容を追加・変更する場合に、実行中の処理を一時的に停止するため、フィードバックが遅れてしまう問題がありました。

 今回、ストリームデータ処理を受信処理とデータ処理に分離し、受信処理や実行中のデータ処理は停止させず、並列化された実行中のデータ処理が完了したタイミングで、配信されたデータ処理プログラムに自動的に切り替える新たなストリームデータ処理アーキテクチャーを開発しました(特許出願済)。その結果、100万台の車両から毎秒数十バイトのデータを受信する条件でのシミュレーションにより、処理内容を追加・変更しても、遅延増加量が平均5ミリ秒以内で処理を継続できることを確認しました。

 今後、富士通株式会社が提供する「Mobility IoT Platform」を構成する技術として、2018年度中の実用化を目指すとともに、他の業種への展開を検討していきます。

 本技術の詳細は、3月4日(日曜日)から福井県あわら市で開催された国内会議「DEIM2018(第10回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム)」にて発表しました。

■開発の背景

 近年、IoT技術の進展により、あらゆる物からのデータがデータセンターに集まり、これを分析、活用することにより、様々な新しいサービスが生み出されると期待されています。例えば、コネクテッドカーでは、車両からのデータをリアルタイムに収集・分析・活用することで、渋滞を緩和したり、運転をアシストしたり、自動運転の安全性を高めたりすることが可能になると考えられます(図1)。

 ※図1は添付の関連資料を参照

■課題

 運転中の大量の自動車から秒単位で発生する速度や位置などのデータを高速に処理するには、逐次的にデータを処理するストリームデータ処理を車両一台一台などの単位で並列実行するシステム構成が有効です。しかし、サービスの追加や改善にあわせて処理内容を追加・変更するためには、従来は、同じ規模のシステムを2つ用意し、片方を運用に使い、もう片方を変更して素早く切り替えるといった方法がとられており、運用中のシステムがメモリ上に持っている、自動車の速度履歴や位置履歴などのデータを修正先のシステムにコピーする間、両方のシステムを一時的に止める必要がありました。このためコネクテッドカーへの危険情報のリアルタイム配信など無停止運用が必要なサービスの実用化が困難でした。

 また、各車両などの並列処理単位でリポジトリと呼ばれるデータベースから新しい処理プログラムを取得していたため、多数の問い合わせでリポジトリが混みあい、全体の処理が遅延していました。

 ※以下は添付リリースを参照

■商標について

 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

図1

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0473704_01.JPG

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0473704_02.pdf