NECと東北大AIMR、AIによる新材料開発に成功

〜スピン流熱電変換素子の性能を約1年で100倍向上〜

 

 日本電気株式会社(NEC)と東北大学材料科学高等研究所(AIMR)の齊藤英治教授らの研究グループは、共同で進めている新しい熱電変換技術であるスピン流(注1)を用いた熱電変換デバイス(注2)の開発に、NECが開発した"AIによって未知の材料の特性予測を行う新技術"を適用し、約1年で熱電変換効率を100倍に向上させました。

 今回新しく開発した新技術は、材料開発を行う上で必要となる様々なノウハウを組み込んだ材料開発用AI技術群と、AIが材料特性を学習するために必要な大量の材料データを一括して生成する技術です。

 材料開発用AI技術には、NECが独自に開発した異種混合学習技術(注3)や、材料開発に特化した機械学習技術(注4、5)を複数活用しています。また、材料データの一括生成技術に加え、組成の異なる1000種類以上の材料データを一度に生成・評価することも可能としたため、AIの学習精度が大きく向上しました。

 これらの技術を組み合わせた開発手法をスピン流熱電変換デバイスの開発に適用した結果、AIが導き出した新材料の設計指針に沿って、実際の材料を設計し、熱電変換効率を強化できることを実証しました。

 今後二者は、AIによる新材料の物性予測技術をさらに高め、スピン流熱電変換デバイス技術の実用化や、電源がなくとも何十年と動き続けるIoTデバイスの実現などを目指し、さらなる研究開発を進めていきます。

■背景

 近年、情報科学(インフォマティクス)に基づいた機械学習技術や解析技術を大量のデータに適用し、隠れた情報の抽出や、将来の動向予測に活用する事例が様々な分野で一般的になりつつあります。

 自然科学領域においても、新しい物質や材料の探索にインフォマティクスを活用する事例が古くから研究されており、中でも、バイオ・製薬・化学の分野においては、探索の対象を網羅的に調べてデータを取得する、コンビナトリアル型(注6)と呼ばれる技術の進歩に伴い、ヒトゲノムプロジェクト等、インフォマティクスが盛んに活用されています。

 金属、半導体、酸化物などの固体材料を扱う分野でも、研究開発の期間短縮やコストを抑える観点で、機械学習や解析技術の利点を最大限に活用する手法が、マテリアルズインフォマティクス(MI)として近年注目を集めています。NECでは、インフォマティクスを活用した自然科学分野の基礎研究を長年続けてきた知見から、5年以上前から固体材料データ特化した解析技術の研究を進めてきました。ただし、この分野ではサンプルの作製や評価に時間と手間がかかるために、MIの適用に必要となる十分な質、量のあるデータ群を得ることが難しいという課題がありました。

 今回、日本電気株式会社(NEC)と東北大学材料科学高等研究所(AIMR)の齊藤英治教授らの研究グループは、NECが独自に開発した効果的に材料データを解析する材料開発用AI技術と、多くの異なる種類の固体材料データを一括して取得する技術を開発しました。さらに、スピン流を用いた熱電変換材料の開発に、両技術を組み込んだ材料開発サイクルを適用し、材料開発期間を大幅に短縮しました。

 ※以下は添付リリースを参照

 

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添付リリース

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