MaerskとIBM、国際貿易の効率化とサプライ・チェーンのデジタル化のため、ブロックチェーンを適用するグローバルな合弁会社を設立

 

 [デンマーク、コペンハーゲン、および米国ニューヨーク州アーモンク--2018年1月16日(現地時間)発]

 A.P.Moller-Maersk(MAERSKb.CO)とIBM(NYSE:IBM)は本日、合弁会社を設立し、ブロックチェーン技術を利用した国際貿易を遂行するため、より効率的で安全な方法を提供する計画であることを発表しました。

 新しい企業の目的は、国際貿易をデジタル化するプラットフォームを共同で開発し、提供することです。このプラットフォームは、オープン・スタンダードに基づき、グローバルな海運エコシステム全体で利用できるよう設計されます。そして、国境や商圏を超える商品の移動をより容易にし、透明性を高めてほしいというニーズに対処します。

 世界の貿易エコシステムにおいて、そのコストと規模は、ますます複雑さを増しています。毎年、4兆ドルを超える商品が出荷され、消費者が日常的に利用する商品の80%以上が海運業により輸送されています。このように多くの商品を処理し、管理するために必要な貿易用書類のコストは、実際の物理的な輸送コストの最大5分の1に達すると見積もられています。世界経済フォーラムによると、国際的なサプライ・チェーン内の障壁を削減することにより、世界の貿易量を約15%増やせる可能性があり、経済の活性化や雇用の創出につながるとされています。

 ブロックチェーン技術の特性は、異種のパートナーによる大規模なネットワークに最適です。分散型台帳技術であるブロックチェーンは、ネットワーク内で実行されるトランザクションすべてを、改ざん不可能な共有の記録として確立し、権限を持つ関係者が信頼性のあるデータにリアルタイムでアクセスできるようにします。国際貿易のプロセスをデジタル化するテクノロジーを適用することにより、新しい形式の指図や承認を情報のフローに導入することが可能になり、多数の貿易パートナーが、詳細情報やプライバシー、機密性を損なうことなく、トランザクションを共有する単一のビューを協力して確立できるようになります。

 コンテナ輸送のグローバル・リーダーであるMaerskと、ブロックチェーン、サプライ・チェーンの可視化、および相互運用性ソリューションを企業向けに提供するリーディング・プロバイダーであるIBMは、新しいプラットフォームを強化するためにブロックチェーン技術を利用すると共に、人工知能(AI)、IoT、アナリティクスを含む、クラウド・ベースのオープン・ソース技術を利用します。これらの技術は、IBM Servicesを通じて提供され、各企業が国境を越えて商品を輸送し、デジタルで追跡できるようにすることを目的としています。製造業者、海運会社、貨物運送業者、港湾ターミナル事業者、税関当局、そして最終的には消費者も、これらの新しいテクノロジーの恩恵を全面的に受けることができます。

 Maerskのチーフ・コマーシャル・オフィサーであり、新しい合弁会社の取締役会会長に就任する予定であるビンセント・クラーク(Vincent Clerc)氏は、次のように述べています。「この新しい企業の設立により、国際貿易のデジタル化を推進するという私たちの戦略的な取り組みは、重要な段階に到達します。情報を安全かつ容易に交換する手段のために、中立的でオープンなデジタル・プラットフォームを提供することで、可能性は大きく拡がり、サプライ・チェーンの参加者すべてが恩恵を得るでしょう。取引に関するMaerskの知識と、ブロックチェーンおよびエンタープライズ・レベルの技術におけるIBMの能力を融合することで、この新しい企業は、国際貿易の将来を築く上で、真の変化を創り出すことができると確信しています。」

 IBMのブロックチェーン・プラットフォームを利用することにより、数百人の顧客と数千人の開発者は、国境を越える支払い、サプライ・チェーン、デジタルIDなどの複雑なユース・ケースにわたって有効なネットワークを構築し、拡張することができます。

 IBM Global Industries,Solutions and Blockchainの上級副社長ブリジット・ヴァン・クラリンゲン(Bridget van Kralingen)は、次のように述べています。「IBMがブロックチェーンで実現した大幅な進歩によって、テクノロジーが新しいビジネス・モデルを促進し、よりスマートなビジネスを構築することにより、国際貿易において重要な役割を果たすことができることが示されました。IBMとMaerskの合弁会社によって、世界で特に複雑で重要なネットワークの1つ、つまりグローバル・サプライ・チェーンで重要な役割を果たしている数百万の組織でこの魅力的なテクノロジーの採用を推進できるようになりました。私たちは、利用されていない新たな経済的機会を捉えるための主要な手段として、ブロックチェーンがこの市場で採用されるようになると考えています。」

 IBMとMaerskは、新しいブロックチェーンとクラウド・ベースのテクノロジーを構築するために、2016年6月にコラボレーションを開始しました。それ以降、DuPont、Dow Chemical、Tetra Pak、Port Houston、Rotterdam Port Community System Portbase、オランダの関税庁、米国の税関国境警備局などの複数の組織が、このプラットフォームを試験的に導入しました。

 この合弁会社によって、IBMとMaerskは、より広範なグローバル企業に対してソリューションを商品化し、拡張することができるようになります。多くのグローバル企業はその機能に対してすでに関心を示しており、この新しいプラットフォームを活用する方法を模索しています。このようなグローバル企業には、運営している複雑なサプライ・チェーンの合理化を求めているGeneral Motors、Procter and Gambleや、通関手続きの仲介を含む顧客サービスの改善を求めている貨物運送業者および物流企業のAgility Logisticsなどがあります。

 他にも、シンガポール税関やペルー税関など税関や政府当局も、貿易を促進し、サプライ・チェーンのセキュリティーを高めるために、このプラットフォームとのコラボレーションを検討する予定です。グローバル・ターミナル運営企業のAPM TerminalsとPSA Internationalは、港湾におけるコラボレーションを推進し、ターミナル計画を改善するために、このプラットフォームを利用します。また、商品の輸出入に関するグローバル品質追跡システムへの接続により広東省検査検疫局(Guangdong Inspection and Quarantine Bureau)の支援を受けて、利用者はこのプラットフォームにより中国の内外の重要な貿易経路を利用できるようになります。

 業界の特定のニーズに対応するために、MaerskとIBMは、プラットフォームとサービスのさらなる具体化を支援し、重要な業界要因に関して指針とフィードバックを提供し、オープン・スタンダードを推進するために、業界エキスパートの顧問委員会を設立しています。

 MaerskとIBMは、この新しい企業のCEOとして、北米のMaersk Lineの元社長、マイケルJ.ホワイト(Michael J. White)氏を任命しました。マイケル氏は次のように述べています。「今日、大量の資源が、非効率的で誤りの生じやすい手動のプロセスのために浪費されています。試験的導入によって、業界全体に、デジタル・ソリューションを利用して情報フローを合理化し、標準化することによる効率の向上と機会に対する多くの需要があるという予想の正しさが確認されました。私たちは、こうした教訓を適用して、グローバル・サプライ・チェーン内のすべての企業が参加し、大きな価値を引き出すことができる全面的にオープンなプラットフォームを確立することを目標としています。グローバル・ソリューションの実現に向けて進むにつれて、パートナーのエコシステムをさらに拡大することを望んでいます。」

 ※以下は添付リリースを参照

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