ピーク対策にはピークの実態の見える化が欠かせない。

 決まったエリアを走る電車の場合、改札通過数や電車の過重センサーなどで利用者数は比較的容易に分かる。より広いエリアのピークを把握するには、携帯電話網が使える。携帯電話事業者は通信サービスを提供するために基地局圏内に存在する携帯電話を常時管理しているため、これを集計すれば、エリア内の「人口」が分かってくる。

 NTTドコモは2017年9月、「近未来人数予測」と呼ぶ技術を開発した。基地局の人口データを集計するだけではなく、時系列推移を含むビッグデータをAIで解析。250メートル四方のエリアごとに数時間先の人口を予測できるようにした。1時間先の人口であれば、予測精度は誤差9.6%の範囲内まで高まるという。

NTTドコモが開発した「近未来人数予測」システムの画面
一定時間内にどの程度の人数がどの区域に滞在しているかを示す。夕方5時過ぎは画面左下の東京駅近辺に人が集中している
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 同技術は既にタクシー配車に応用されている。さらに2017年10月下旬に神奈川県藤沢市で開催されるイベント「ふじさわ江の島花火大会」において、混雑状況を予測する実証実験に取り組む(注:本記事は2017年10月上旬に執筆しました)。

 会場近隣のエリア別の人出を予測し、ピークが発生しそうな場所に警備員を重点配置する。イベント終了後の人の動きも予測。混んでいる駅ではなく空いている繁華街に人を誘導するといった使い方も検討する。

 NTTドコモの槇島章人IoTビジネス部技術推進担当課長は「イベント会場や観光地では特定の場所だけが混雑し、すぐ隣は空いているという現象が起こりがち。予測データを基に回遊を促したい」と話す。