無線通信規格「Sigfox」の商用サービスを2017年2月に始めた京セラコミュニケーションシステム(KCCS)。「まだ実証実験段階の顧客がほとんどだが、引き合いは増えている」(KCCSの松木憲一LPWAソリューション事業部長)と手応えを感じている。追い風も吹く。その一つが端末の充実だ。端末から基地局へ信号を送信する際に必要なRFモジュールが世界的に値下がりしたことで、Sigfoxに対応する端末の開発が加速しているという。

主なLPWAの規格とサービス事業者の関係
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 10月に都内で開催された展示会「IoT Japan 2017」では、パートナー企業の1社であるキョウデンが、既存のLP(液化石油)ガスメーターに外付けしてメーター指示値を送るSigfoxモジュールや、照度センサー、温度・湿度センサーなどのSigfox端末を参考展示した。欧州ではスーツケースなどの手荷物の現在地を確認できる国際ローミング対応のSigfox端末なども開発されているという。

 端末だけではない。KCCSは同展示会で、Sigfoxの基地局のレンタルを始めると発表した。Sigfoxのサービスが始まっていない地域や、電波が到達しにくい屋内などをエリアにできる。併せて「2018年3月に政令指定都市を含む国内36都市、2020年3月に全国展開を予定するエリア拡充計画の前倒しを検討している」(松木事業部長)。

用途別の端末も充実してきたSigfox
(出所:京セラコミュニケーションシステム(左))
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 もう一つの追い風が、当初は提供できなかった下り通信が制度改正で可能になり、11月に提供を始めることだ。これにより、センサーなどの端末から基地局へデータが送られた際に基地局から端末へ受信完了した旨を通知したり、普段は消費電力を抑えるために停止している端末内のGPSや3Gなどのモジュールを遠隔操作で起動させたりといった使い方が可能になる。