前回に引き続き、大阪ガスのデータ分析専門組織である「ビジネスアナリシスセンター」が、現場にデータ分析の結果を「使わせる」奮闘ぶりを紹介する。

 今回の分析テーマは「家庭用燃料電池であるエネファームの故障診断」。データ分析で導いたエネファームの故障診断結果を、現場のメンテナンス担当者に使ってもらうことを想定したプロジェクトだ。この案件でもビジネスアナリシスセンターのメンバーは、診断結果を簡単に見られるプロトタイプを作り、現場に使ってもらえるように仕向けた。

 結果、まだプロトタイプでありながら、2016年以降は一部の機種から順に故障診断に使われている。約300人いるエネファームのメンテナンス資格保持者が持ち歩くノートパソコンには、エクセルで作った故障診断のプロトタイプが入っている。

エクセルのマクロ機能を使い、プロトタイプに分析ロジックを組み込んだ。メンテナンス担当者は画面右の「故障診断結果」を見ればよい
(出所:大阪ガス)
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 前回取り上げた「データ分析による業務用ガス機器の故障予知結果」を用いた、機器の点検・保守担当者の業務プロセス改革と今回の故障診断は、お題目だけ見ると似たテーマに思えるかもしれない。しかし、データ分析で解きたい課題も、利用目的も全く異なる。

 エネファームの故障診断は、機器が故障した後の修理段階の話だ。なので今回のデータ分析は、故障した機器の原因を正しく診断することが目的になる。対して、業務用ガス機器の故障予知は、今後故障しそうな予兆を事前に捉えて、機器が止まってしまう前に先回りして点検や保守に生かすものだ。

 ということは、データ分析で割り出す結果は全く別物だし、一口に現場に「使わせる」といっても、現場のニーズや利用場面が全く異なるので、前回の例とはまた違った「使わせる力」が求められる。

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