2017年8月にAWS(Amazon Web Services)のデータセンターで提供開始になった「VMware Cloud on AWS」は、ベアメタルサーバー(物理サーバー)にヴイエムウェアの仮想化製品を導入し、オンデマンドで顧客に提供する。サービスの提供、販売、サポートはヴイエムウェアが担うので、利用者はパッチ適用などの運用管理が不要だ。サービスの仕様や利用料金、制約などから利用上のポイントを押さえよう。

 VMware Cloud on AWSは、ヴイエムウェアのクラウド基盤ソフト「VMware Cloud Foundation」をAWS製の物理サーバーに導入する。Cloud Foundationは、仮想サーバー「VMware vSphere」、仮想ストレージ「VMware vSAN」、仮想ネットワーク「VMware NSX」を含む。「VMware SDDC Manager」を使ってこれらソフトを導入し仮想化環境を構築。利用者は「VMware vCenter Server」で管理する。

 VMware Cloud on AWSを構成するソフトウエアのバージョンアップやパッチ適用はヴイエムウェアが行う。「全てのユーザーは同じソフト、同じバージョンを使う」(ヴイエムウェア)ので、オンプレミス環境から移行する場合はバージョンの確認が欠かせない。

VMware Cloud on AWSの概要
(出所:VMware)
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 利用者は、物理サーバーの台数をオンデマンドで増減できる。「利用者がキャパシティを減らし物理サーバーが不要になったら、ヴイエムウェアがAWSに返却する」(ヴイエムウェア)。物理サーバー上で稼働させる仮想マシンのスペックや台数は利用者が指定する。VMware Cloud on AWSのベータ版を検証した野村総合研究所(NRI) クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス一部の西岡典生氏は「ハードウエア関連のスペック情報が詳細に開示されているのは評価できる」と話す。費用対効果を高められるかどうかは、スペックに基づいたサイジングの腕にかかっている。

 AWS製の物理サーバーは2CPU/36コア、512GBメモリー、フラッシュストレージ(キャッシュが3.6TB、容量は10.7TB)を搭載する。利用可能なノード数は最低4、最大16である。「今の上限設定はユーザーニーズに基づく。技術的な制約は無いので、将来はvSphereの上限である64ノードまで上げる」(ヴイエムウェア)計画だ。仮想マシンは、「VMware HA」を利用し冗長化できる。

 AWSでは、仮想プライベートネットワーク環境を構築するサービス「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」を提供している。VMware Cloud on AWSでは、VPCと同等の機能をヴイエムウェア側で実現する。具体的には、ヴイエムウェアが運用するサーバー環境でVMware NSXを使い、マルチテナント機能などを実装。これがVPCとの接続制御を行い、VMware Cloud on AWS内の仮想マシンからVPC内のAWSサービスへのアクセスを可能にする。

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