ナカミ改革元年――。2016年に残業時間を1割減らし、有給休暇取得率を1.3倍に高めたサントリーホールディングスは、2017年の働き方改革をこう位置付ける。10年にわたる取り組みで対象者の7割が使うなどテレワークが浸透した同社は2016年、進捗管理の徹底と個人の意識改革で結果を出した。

 ただ、同社はそれで満足していない。「働き方改革は当社の競争戦略の一つ。個人の意識改革だけでは実現できない領域に踏み込み、働き方のナカミを改革する」(人事部の竹舛啓介課長)として、次のステップを目指す。

 さらなる長時間労働対策や生産性向上をどう図るのか。同社が考え、2017年3月に開設したのが全社向けのナレッジ・情報共有サイト「変えてみなはれ」だ。

サントリーホールディングスが開設した、働き方改革の取り組みを共有するWebサイト「変えてみなはれ」
働き方改革の中身を競う(写真と画像提供:サントリーホールディングス)
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 ガラス張りにするのは各部門の取り組み。サイト開設に先立ち、竹舛課長らは「人事部の数人だけで施策を考えても多様な現場にフィットしない」として、各部署の課長・リーダー層約400人を働き方改革の「推進リーダー」に選び、改革達成を推進リーダーの人事考課に含むよう制度も変えた。

 ただ推進リーダーたちも「どう改革を進めるべきか」を考えるきっかけが無い。そこで「『変えてみなはれ』を公開し、知恵のインフラとして活用するよう促した」(同)。半年ごとに新浪剛史社長が投稿を評価し表彰する制度も用意し、社長自らが働き方改革を強く後押しする姿勢を示している。

 開設から1カ月弱の時点で週に5~6件の投稿があり、「いいね」やコメントといった反応も活発という。「『業務のやり方はまだまだ変えていけるんだ』と社内に浸透しつつある」と、竹舛課長は手応えを感じている。