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デジタル時代の「リーンPR」で企業を伸ばす

マスメディアの露出を図る広報担当者の挑戦~中堅外資データ分析企業の取り組み(前編)

2017/09/28 上瀧 和子=共同ピーアール

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 大手企業と比較して知名度が低い中堅企業や、日本法人の裁量が低く本社コンテンツを翻訳しなくてはならないといった問題を抱える外資企業は、マスメディア(アーンドメディア)への露出に苦労しています。リソースが少なく、さらに足かせが大きな中堅外資IT企業は、いかにリーンPRを実践し会社の成長を支えているのでしょう。今回は、データ分析を本業とする中継外資系企業P社の3年にわたる実例を取り上げます。

アーンドメディアによる信頼獲得を担う広報PR

 P社はソリューション提供企業として、1970年代に米国で創業し、その後の買収そして独立を経て、日本法人を設立してから10年がたちます。この数年は、グローバルで全社的に、情報システム部門からビジネス部門へと、コンサルティングを含めたソリューション提案を強化する方向に転換しています。2014年にQ氏が広報PRとして入社したのもこうした経緯を受けたものでした。

 世界的にメディア環境が著しく変わる中で、BtoB・IT企業の広報PRの主な任務は、今でもマスメディア(アーンドメディア)露出による認知となっています。これは専門性の高い企業とその商材を理解し解説できる記者と発信する力は、専門型マスメディアに限られるためです。そして、日本ではマスコミへの信頼度が高く、その露出がビジネスの購買決定に貢献することが経験則として存在しているためです。

 広報担当のQ氏の任務もマスメディアの記事としてP社が掲載されることにあります。営業がターゲットとする企業のビジネス部門で認知されることを主目的とし、コスト高の広告ではなく、企業の信頼につながる媒体での記事露出を促進しています。

まずは知ってもらい、話を聞いてもらうことから始める

 Q氏が加わる以前、P社の広報PRはコーポレート・マーケティングの担当者が兼務しており、記事を執筆する専門媒体記者と直接のつながりは十分にはありませんでした。Q氏が広報PRになってから、欠けているメディアリレーションズの構築に取り組みました。

 大手企業にとっては、記者誘致も記事露出も、中堅中小企業に比べはるかに簡単です。日本企業であれば、本社が国内なので資料の翻訳に手間がかからず、拙い翻訳で熱量が失われたり、意味が通じない内容になったりすることはありません。

 こうした、ローカライゼーション(日本化)の課題を抱える中堅外資IT企業には、マスメディアにと関係を築くことが高いハードルとなります。広報PRが記者と顔を合わせて話す頻度を重ねる地道なコミュニケーションを取ること、つまりメディアリレーションズが不可欠なのです。

 Q氏は、これまでのP社の日本市場での歩みを基に、KPI(重要業績評価指標)として記事の年間露出を100件に設定しました。これは一般に中堅外資IT企業が日本で抱える広報PRにとって壁となっている数字です。

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