最後に満足度に関して失敗の原因を探る。満足度はシステムの利用状況と密接に関係している。ここでは「当初の計画通りにシステムが利用されていない」と回答した88件を満足度に関する失敗プロジェクトとみなし、その理由と対策を見ていく。

 計画通りに利用されていない理由を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「要件定義が不十分」(35.2%)。次に多かったのは「システムの企画が不十分・適切でなかった」(31.8%)だった。満足度の低さはスケジュールの遅延やコストの超過と同じく、上流工程の不十分さに起因している。

図 利用状況に問題があるプロジェクトの原因と対策( n=88、複数回答)
要件定義とシステム企画の不備で利用が進まず
[画像のクリックで拡大表示]

仕様変更が満足度を左右

 このほかの理由を見ると「テストが不十分だったり、移行作業に問題があったりした」(22.7%)、「エンドユーザーへの教育が不十分」(20.5%)、「システムの設計が不正確」(19.3%)、「システムの開発作業の質が悪かった」(18.2%)、「運用計画が現実の利用形態に沿っていなかった」(同)と続く。

 ABC協会の細川氏は「仕様が明確になっているプロジェクトほど、ユーザーの満足度は高まる。ただしプロジェクトで大きな仕様変更が起こると、満足度が下がる」と話す。要件定義フェーズで手戻りがないよう仕様を明確にするプロジェクト運営は、満足度向上の意味でも大切だと言える。

次ページ以降は日経 xTECH Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。