「10年前に比べ大きな進歩だ」。ITプロジェクトの動向に詳しいアドバンスト・ビジネス創造(ABC)協会の細川泰秀副会長は「成功率が52.8%」という調査結果をこう「評価」する。

 一見すると厳しい結果にもかかわらず、それを評価する声があること自体がITプロジェクトの難しさを示している。「システム開発の成功率は3割程度と言われていた。失敗の原因を追究して未然に防ぐ、地道な努力が結実した成果だとみなせる」(細川氏)。

 ITプロジェクトに関する本格的な調査は2008年以来、約10年ぶり。今回は企業のIT部門(情報システム部門)や業務部門、ベンダーに所属する1201人から1745件のシステム導入/刷新プロジェクトに関して回答を得た。

図 成功の3条件を満たしたプロジェクトの割合( n=1238)
3条件を個別に見ると7割以上がクリア
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「満足度」を含む3条件で判定

 日経コンピュータは「スケジュール」「コスト」「満足度」の3条件を満たすプロジェクトを「成功」と定義した。スケジュールは「計画通り」または「前倒し」で完了した、コストは「計画通り」または「計画より少ない」額で収まった、満足度については経営層とエンドユーザーが共に「満足」あるいは「やや満足」と感じている、という内容だ。

 プロジェクトの成否はQ(品質)、C(コスト)、D(納期すなわちスケジュール)で評価することが多い。しかし、本調査ではQの代わりに「S(満足度)」を採用した。今やITはビジネスに不可欠な存在であり、品質が高くても使い手が満足していなければ成功とはみなせないと判断した。経営層からすると「ビジネス目標の達成につながるか」、エンドユーザーでは「生産性が上がったか」などが満足度の指標となる。

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