マイクロソフトのクライアント向け製品の中で、ここ最近で大きな変更があったのがOfficeだ。パソコンにインストールして使う従来型のOfficeソフトだけでなく、クラウドサービス「Office 365」という選択肢が加わった。プリインストール版もOffice 365との融合が図られ、ライセンス形態が変わった。

 ここではQ&A形式にして、各ライセンスの特徴と留意点を見ていこう。

疑問1:プリインストール版をそのまま業務に使って問題ない?

 個人向けパソコンで一般的なプリインストール版Officeを企業が使うことに、ライセンス面での問題はない。小規模な企業では、量販店などで購入したOffice搭載パソコンをそのまま業務に使うこともあるだろう。

 しかし、パソコンの台数が多い場合は、ボリュームライセンス版に比べて使い勝手に難があったり、管理に手間がかかったりすることがある。

 まずプリインストール版Officeは、ライセンスを移管できない。例えばパソコンを廃棄すると、Officeのライセンスも同時に使えなくなる。ボリュームライセンス版なら、廃棄するパソコンにインストールしたOfficeのライセンスを、別のパソコンに引き継げる。

 管理も面倒になりがちだ。プリインストール版には、固有の「プロダクトキー」が割り当てられている。パソコンの台数分、個別にプロダクトキーを入力してセットアップする必要がある。個々のプロダクトキーをパソコンとひも付けて管理するのも大変だ。ボリュームライセンス版は、一つのプロダクトキーで契約台数分のパソコンにインストールできる。

画面1●Office Premiumのユーザー向けページ。Office 365サービスの管理ができる
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 プリインストール版Officeのライセンスには、2014年秋に新たな形態が加わった。「Office Premium プラス Office 365サービス」(以下、Office Premium)である。個人で使う分にはサービスの強化だが、企業で利用しようとすると管理上難しい点が増えた。

 Office Premiumには、パソコンにインストールして使うOfficeソフトに加えて、「Office 365サービス」と呼ばれるサービスの利用権が付属する(画面1)。オンラインストレージ「OneDrive」の1Tバイト追加容量や、タブレット2台へのOfficeアプリのインストールなどを1年間無料で利用できる。2年目以降は有償(年額5800円)で継続可能だ。

 こうした権利が付属することから、Office PremiumのセットアップにはMicrosoftアカウントの入力が必須になった。Office 365サービスの利用権は、ここで登録したMicrosoftアカウントにひも付けられる。Microsoftアカウントは基本的に個人が取得するもので、企業は一括管理できない。また個人のMicrosoftアカウントでOneDriveに業務用のデータを保存するといった使い方は、セキュリティの面でも問題になりがちだ。

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