ブロックチェーンは、例えばAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)といった昨今の注目テクノロジとは全く異質な存在である。ネットワーク上で効率的に信頼度の高い取り引きが成立する枠組みを提供しようとするものであり、これまでの「情報をいかに活用するか」という話とは根本的に違う。

 この異質なテクノロジが今、新たな社会基盤として広がっていこうとしている。

 現代人の生活は、テクノロジの進化や普及とともに大きく様変わりしてきた。道路や輸送網、電気・ガス・水道といった社会基盤にインターネットが加わり、e-コマースが根付き、モバイルデバイスが普及した(図1)。例えば、スマートフォンを四六時中見て、近所の店舗に行くことなく製品を選んで買うという行動はよくある。ここまでは既に当たり前のインフラになっている。

図1●新しい社会基盤が作られつつある。道路や輸送網、電気・ガス・水道といった古典的なインフラにインターネットが加わったのが既に確立された「従来の社会基盤」である。これからの社会基盤は、IoTやビッグデータ、人工知能などのソフトウエアの進化、そしてブロックチェーンによって成り立つ。将来、ここにある全てが当たり前になる。
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 こうしたことが現実に起こったように、進化したAIや高度なデータ分析に向けたソフトウエア群が連携しようとしている。ソフトウエア群はより賢く人の判断をサポートし、あっという間に人や企業間のやり取りが完結する世の中が到来する。

 ブロックチェーンを使えば、ブロックチェーンを構成するノードとノードの間で、お金や権利、トークンなど「価値」を交換できる。個々の取り引きを認証する仕組みや取り引きが正しいものかどうかを保証する仕組みがあるからだ。

 ブロックチェーンの基本機能には、単純なやり取りだけではなく、そこに契約といった概念を持ち込み、取り引きをスムーズに進める仕組み(スマートコントラクト)が盛り込まれている。これまでの中央集権型の形を取らなくても、ルールがプログラムに埋め込まれたノードの集合体から低コストで信頼性の高いやり取りができるようになる。

 社会は着実に変わってきた。さらに、ネットワーク上に展開されるブロックチェーンを含む新たなテクノロジが、新たな社会基盤として広がるだろう。単に使うだけの立場からは意識することがないかもしれないが、気がついたときにはそれが当たり前になっている。ネット・ビジネスが市場を席巻した次にある第二幕、デジタル・メッシュ時代の到来は、もう誰にも止められない。

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