サーバーマシンを手がけるコンピュータメーカーは、何を重視して製品を開発し、どこで競合他社との差別化を図っているのか。「PowerEdge」サーバーの最新世代(14世代)を発売した米デルEMCのペンディカンティ氏に聞いた。

(聞き手は山崎 洋一=ITpro

顧客はいま、サーバーマシンのどこを重視していると思うか。

米Dell EMCのラヴィ・ペンディカンティ氏
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 多くの顧客と話をしてみると、ほとんどは「RAS」に重きを置いているように思う。RASは信頼性(Reliability)、可用性(Availability)、サービス性(Serviceability)の頭文字を取ったものだ。サービス性は保守性のことである。

 私は、RASにさらに2つの要素が加わって5つになっていると感じている。その二つは、プライスパフォーマンス(Price performance)と相互運用性(Interoperability)だ。プライスパフォーマンスについて補足しておくと、安くてもパフォーマンスが悪くては役に立たない。逆にパフォーマンスが良くても、すごく高ければ意味がない。どちらも大事だ。

 それからRASのSは、最近はセキュリティでもあると考えている。セキュリティの重要性については言うまでもない。我々は、この大事な5つの要素の頭文字を取って「PARIS」と呼んでいる。

デルのサーバーの強み、あるいは独自性は、どこにあると考えるか?

 三つある。拡張性のあるビジネスアーキテクチャー、インテリジェントな自動化、セキュリティだ。

 拡張性のあるビジネスアーキテクチャーとは、サーバーにおいて顧客の要件に応じた様々な拡張性を提供できること。例えばCPUだけを増やしたい顧客がいれば、HDDだけを増やしたい顧客もいる。HDDではなくSSDを望む人もいるだろう。拡張性があるからこそ、顧客の要求に合わせた様々な提案ができる。

 インテリジェントな自動化に注力しているのは、エラーや障害の6~7割が人的エラーによるものだからだ。人的エラーとは、スタッフが十分にトレーニングを受けていなかった、プロセスに沿って作業をしなかった、といったことだ。インテリジェンスを持った自動化をきちんと導入できていれば、エラーが減り可用性や信頼性の向上につながる。例えば自動走行車が完璧だったら、事故の数は減ってくるだろう。人が運転をすれば、わき見運転や飲酒運転など、事故につながる様々な要因がある。

 例えば、PowerEdgeサーバーの最新世代(第14世代)では、サーバー側に実装された管理用プロセッサー「Integrated Dell Remote Access Controller(iDRAC9)」と管理ツールのOpenManageが連携してデプロイ、アップデート、モニタリング、メンテナンスなどの作業を自動化できる。さらにiDRAC9はRESTful APIをサポートしており、このAPIに準拠した他の管理ツールと連携して先ほど挙げたような作業を自動化することも可能だ。

 インテリジェントな自動化の要素を組み込んだ我々のサーバーは強い立ち位置にあり、自律型サーバーというものが出てきたときには、その一番手になれるのではないか。自律的なサーバーを作ることで、人的エラーを全てなくすことができればよいと考えている。

 セキュリティに関しては、我々は市場でサーバーの管理画面にHTML5を最初に導入した企業だと考えている。具体的には、最新世代のPowerEdgeサーバーでHTML5に対応し、HTML5、Java、ActiveXから選択できるようになった。Javaが持つセキュリティの脆弱性を懸念するユーザーがいるため、そうしたユーザーに安心して使ってもらうために選択肢を増やした。

 PowerEdgeサーバーの最新世代サーバーのセキュリティ機能も充実させており、PowerEdgeサーバーの最新世代で追加したセキュリティ機能もある。例えば、管理者以外によるシステム変更をBIOSレベルで不可能にする「System Lockdown」機能と、使わなくなったPowerEdgeサーバーからドライブ上の全データを数秒で完全に消去する「System Erase」機能を加えた。

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