日経SYSTEMS編集長の森側 真一

 「システムエンジニア(SE)って、よく分からないけど格好良さそうなので希望してみた」。1990年当時、友人のN君が金融機関の就職面接の後、言った言葉だ。あれから27年経つ今、SEという呼び名の職種は、定義や実態がまたよく分からなくなってきている。

 一般にはこれまで、プログラマ(PG)の上位職で、要件定義から設計までの責任を持つエンジニア、といった認識だった。2000年前後に破たんプロジェクトが増えると、プロジェクトマネジャー(PM)がもてはやされ、SEの上位職として位置づけられる。IT現場は、PM、SE(アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア)、PGをそろえて、ウォーターフォール型の工程で規模に合わせて人員をそろえればよかった。

 この形が通用しないプロジェクトが、今増えつつある。新たなITで新サービスや新事業を立ち上げる、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの流れに乗ったシステム構築では、人数は5人程度で数カ月のうちにサービスを立ち上げるのが通常。その場合、PM1人、SE4人といったチーム編成では、目的のアウトプットが出せるのかどうか分からない。

 モバイルアプリの開発、大規模データの活用、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)といった技術を活用する場合、それぞれで必要なエンジニアは異なる。そもそも短期間で仕上げていくためのプロジェクトを従来のPMで回せるのか、数人のプロフェッショナルをそろえたチームをうまく生かせるのか、といった問題もある。

 こうした新たなIT人材の定義にITベンダー各社は動き始めている。日経SYSTEMS2017年5月号の特集1「ITエンジニア新図鑑」で紹介したサントリーシステムテクノロジーもその1社だ。データサイエンティストのほか、AIやモバイル、VR(仮想現実)を担うコア技術人材の定義を進めている。実際にどんなIT人材がいるのかを現場から探った本特集では、22種の新たな人材像をピックアップした。

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