「この3年間、相談件数が増え続けているネットトラブルがある」と聞くと、一体何を思い浮かべるだろう。

 不正プログラムを使って金銭を求めるランサムウエアだろうか。あるいは、システムの脆弱性を悪用した不正アクセスだろうか。最近では、DDoS(分散型サービス妨害)攻撃による被害も頻発している。

 こうした高度な技術を活用した攻撃による被害も、増えているに違いない。ただ今回取り上げたいのは、「迷惑メール」だ。何を今さらと思う読者もいそうだが、実はこのところ、右肩上がりで相談件数が増えているのだ。

 国民生活センターが2017年7月に公表した資料によると、2016年度に全国消費生活情報ネットワークシステム、つまり国民生活センターと全国にある消費生活センターなどに寄せられた相談件数は、4万5387件だったという。

迷惑メール相談件数の推移
(出所:国民生活センター)
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 相談件数は2012年度から2013年度にかけては減少している。ところが2014年度、2015年度とぐんぐんと増加。2016年度の4万5387件というのは、2013年の2万4244件の約2倍に当たる件数である。

 これまでさまざまなIT企業が、迷惑メールによる被害を最小限にすべく技術を磨き、対策を講じてきた。メールの内容を分析して迷惑メールの類いを受信しないようにする「フィルタリング」や、送信元サーバーの確かさを検証する「レピュテーション」などはその代表例だ。

 また最近では、フィッシング(詐称メール)対策技術として「DMARC」も実用化されている。

 法制度の整備や、被害防止のための体制作りも進んだ。「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」が策定され、携帯電話事業者や業界団体、総務省は、通報や相談の窓口を設け、情報発信を続けている。

総務省の「迷惑メール対策」サイト
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 その甲斐あってか、迷惑メールの総量自体は減っているとの調査もある。総務省が電気事業者10社から得たインターネットでやり取りされている迷惑メールの通数データによると、2017年6月は1日あたり4億6213万通。2013年6月の10億4711万通から、大きく減少している。

 それでも、迷惑メールについての相談件数は、再び増加に転じているのだ。

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