総務省は2017年12月20日、格安スマホを含めた事業者間の公正競争促進に向けた施策を議論する有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」を開催すると発表した。第1回は12月25日を予定し、数回程度の議論を重ねて2018年3月ごろにとりまとめる予定。格安スマホを手掛けるMVNO(仮想移動体通信事業者)の支援により、料金の低廉化やサービスの多様化につなげる。

 総務省は有識者会議の主な検討項目として「携帯電話大手とMVNOの間の同等性確保」や「MVNO間の同等性確保」を挙げており、格安スマホ市場における「サブブランド問題」が大きなテーマとなりそう。具体的には、ソフトバンクが手掛ける「Y!mobile」、KDDI系のUQコミュニケーションズが展開する「UQ mobile」などだ。

 MMDLabo(MMD研究所)が実施したユーザーアンケート調査によると、2017年9月時点における格安スマホのシェアは、Y!mobileが1位で31.2%。2位の楽天モバイル(17.8%)を大きく引き離す。UQ mobileは4.5%の6位にとどまるが、市場全体の失速が目立ち始めた昨今でも順調に契約数を伸ばしている。これらのサブブランドは「派手な広告宣伝を展開するだけでなく、テザリング機能の提供などで優遇を受けている」といった指摘が一部で出ており、MVNOの不満が高まっている。

MMD研究所のユーザーアンケート調査に基づいた格安スマホのシェア
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 総務省は有識者による問題提起を踏まえ、2018年1月からMVNOや携帯電話大手への公開ヒアリングを実施。MVNOの要望や課題を整理したうえで、公正な競争の確保に向けた具体的な施策を検討する。当初は「ICTサービス安心・安全研究会」の「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」の後継として議論することも検討していたが、競争促進と公正競争の環境整備にもっと焦点を当てるため、新たな有識者会議を設けることにした。

 もっとも、総務省は別の有識者会議「電気通信市場検証会議」でも公正競争の環境整備に向けた議論を進め、2017年8月に新たなMVNO支援策を打ち出したばかり。支援策は出尽くしたともされるなか、どのような結末を迎えるかが注目となる。

総務省が2017年8月に打ち出したMVNO支援策
出所:総務省
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