楽天とビックカメラは2017年12月19日、共同出資会社を設立すると発表した。2018年4月に家電のEC(電子商取引)サイトを新たに立ち上げる。新サイトは大型家電の購入から設置依頼まで一気通貫で扱えるようにし、顧客の利便性を高める。楽天はビックカメラの店舗網や物流網を活用できるようになる。

ビックカメラは楽天と提携し、EC拡大にアクセルを踏む
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 共同出資会社による新サイトの名称は「楽天ビック」。出資比率や役員、会社名は未定だ。ビックカメラはかねて楽天の仮想商店街(モール型)サイト「楽天市場」で「ビックカメラ楽天市場店」を運営するが、リニューアルして楽天ビックに移行する。配送はビックカメラの物流拠点を活用し、当日配送を実現する。ビックカメラの実店舗における在庫の有無を確認できるようにするほか、楽天ビックで購入した商品をビックカメラの実店舗で受け取れるようにする。独自商品(PB)の開発も検討する。

 ビックカメラの2017年8月期通期のEC売上高は729億円で、前年同期比5.3%増。連結売上高に占めるECでの売上高を示すEC化率は9.2%となっている。国内25拠点あった物流拠点(2012年5月時点)を2017年11月には9拠点に圧縮するなど物流拠点の統廃合で効率化を進め、EC事業の拡大に寄与したとしている。

 とはいえ現状では、同業の家電量販店のヨドバシカメラに比べてECでは後塵を拝している。2011年頃からヨドバシカメラはECを強化し、送料無料、当日配送、破損・遭難保証などに取り組んできた。2016年9月には東京23区全域を対象に最短2時間30分以内に届けるサービスを開始している。17年3月期のEC売上高は1080億円に達し、売上高6580億円に占める割合は15%を超える。

 家電市場の拡大基調が望めない今、家電量販店各社は住宅など非家電領域の事業を拡大する一方、家電領域はM&A(合併・買収)を通じて残存者利益の確保を図っている。ただ米アマゾン・ドット・コムの台頭など競争環境は激しさを増す一方で、ビックカメラと楽天は従来の枠組みを超えた提携で生き残りをかける。