すかいらーくが100億円超を投じて店舗運営の情報システムを全面刷新することが2017年11月27日までに分かった。日経コンピュータの取材で同社谷真社長が明らかにした。2018年7月から来店客が使う注文システムや店員向けの食材発注・在庫管理システムなどを順次刷新。店舗の運営効率を高める一方、来店客の利便性向上にもつなげる。今夏から「ガスト」「バーミヤン」など約3000店で順次刷新する。

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「ガスト」など全3000店で順次システム刷新を進める(写真提供:すかいらーく)

 店舗運営システムの全面刷新は7年ぶりとなる。食材の発注から在庫、食材廃棄ロスの管理まで一連の業務を統合し、ほぼ自動化する。従業員の勤務シフト管理をスマートフォンで柔軟に行えるようにする他、労務管理機能も大幅に改善する。店内では一部店舗で導入しているテーブルオーダー用の専用タブレット端末を刷新する。グループ企業の「じゅうじゅうカルビ」約70店舗で展開している端末の多言語対応や操作性の改善を行い、顧客の利便性を高める。

 テイクアウトを希望する顧客が、スマホで注文から決済まで完了できるようにし、来店時の待ち時間を減らす。2018年中に一部のブランドで試験的に開始する予定だ。将来的には、スマホの位置情報を把握し、顧客が一定の距離まで近づいたときに調理を始めることも検討する。実現すれば、顧客は来店したタイミングで、できたてを持ち帰ることができる。

 システム刷新によって1店舗当たり1日1.7~2時間ほどの労働時間を減らせる。効率化によって生まれた時間は、接客や顧客サービス、従業員トレーニングに充てる。

 すかいらーくは、11月21日に同社の筆頭株主である米ベインキャピタルが保有する全株式を売却すると発表している。すかいらーくの谷真社長は「ベインからは、データや分析に基づく意思決定を行うことを学んだ。今後はデータで見えてきた顧客に対して、その店舗体験を向上させるための店舗投資にも注力していく」と話す。

 外食産業の将来に向けた投資という意味合いも強い。「ITやデジタル化は、我々が考えている以上に進んでいる。2倍くらいのスピードで準備をしなければ取り残され、市場からの退場を余儀なくされる」(谷社長)と危機感をあらわにする。システム刷新は新たな成長戦略の一環であり、デジタル化に一段とアクセルを踏む。