TISは2017年10月31日、2017年4~9月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.1%増の1948億円、営業利益は同44.2%増の136億円と、増収増益だった。堅調な企業のIT投資が売上高を押し上げたほか、不採算案件の抑制が奏功して営業利益を伸ばした。年間の業績予想は売上高4000億円、営業利益300億円と据え置いた。

 主要なセグメント別損益で見ると、好調だったのは金融ITサービスだ。売上高が前年同期比で8.9%増の436億円。営業利益は前年同期から35億円増え、30億円の黒字に転換した。前年同期には、カード会社のシステム開発案件で発生した巨額の不採算案件などの影響で営業利益が5億円の赤字に陥っていた。

 全社的な営業利益増に貢献したのは、不採算案件の抑制対策だ。前年上期に36億5000万円に上った不採算案件の損失額を、同下期は8億2000万円、今期は7億8000万円に抑え込んだ。TISは、カード会社での不採算案件を契機に各プロジェクトの管理体制を強化。受注時や工程ごとのチェックを厳格化するといった取り組みのほか、3カ月に1度は全プロジェクトのメンバーから無記名で状況報告を求めるなど、「(不採算案件を)早期に発見し、迅速に手を打つことを徹底した」と、TISの桑野徹代表取締役社長は、説明する。

TISの桑野徹代表取締役社長
[画像のクリックで拡大表示]

 足下の業績は好調ながら、通期での見通しは据え置いた。桑野社長は、「公共分野の大型案件でサービスインが近づいており、受注残高が減少している」と語り、「当初公表した計画を達成することを目標としたい」(桑野社長)と、慎重な姿勢を示した。「(具体的な)不安要因はまったくない」(桑野社長)という。

 今後のIT市場については、「企業のデジタル化に対する投資は極めて堅調に拡大する」(桑野社長)と楽観的な見通しを示した。一方で、「顧客の先回りをして、先進的なサービスを提案するビジネスモデルに大きく舵を切らなければならない」(桑野社長)と、受託型ビジネスからの変革を急ぐ方針を強調した。