日本IBMは2017年10月27日、同社のクラウドサービス「IBM Cloud」で提供する人工知能(AI)「Watson」などを無期限で試用できるサービスを11月1日から提供すると発表した。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の利用回数などに上限を設けるものの、上限内であれば利用目的を問わず継続利用できる。

 同社の三沢智光専務執行役員IBMクラウド事業本部長が同日に都内でソフトバンクと共同開催したAI関連イベント「AI Business Forum」で明らかにした。「手軽に評価できる環境を後押し」(三沢専務執行役)して、同社サービスの顧客接点を広げる狙いである。

日本IBMの三沢智光専務執行役員
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 11月1日にIBM Cloudに新たな会員機能「ライトアカウント」を追加する。クレジットカード番号を入力せずにアカウントを作成できる。利用回数などの上限内であれば、対象サービスを無料で使える。ライトアカウントの新設に伴い、従来提供していた30日限定で無料利用できる「フリートライアルアカウント」を廃止する。

 対象のサービスはIBM Cloudのうち、Watsonの6種類のAPIやプログラミング環境を提供する「Cloud Foundry」など、「IBM Bluemix」ブランドでこれまで提供していたPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の25種類のサービスである。IBMはBluemixのブランドを段階的に廃止し、IBM Cloudに統一している。

 ライトアカウントの利用制限は、Watsonでは自然言語の対話API「Conversation」で1カ月1万回まで、登録できるインテント(最終的な回答方法)が25個まで。ユーザーのプログラムが稼働するCloud Foundryの仮想マシンはメモリー容量が256Mバイトとなる。

新設したライトアカウントを含めた、新しいIBM Cloudのアカウント体系
出所:日本IBM
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 規約で実ビジネスでの利用を禁止していないため、制限範囲内なら商業利用も可能。ただ、三沢氏は「あくまでWatsonやIBM Cloudを試して、能力を実感してもらうためのアカウント」と説明する。

 米国や英国などでは同サービスを2017年夏に提供済み。11月1日から日本などに提供地域を広げる。