ソフトバンクの宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)は“10兆円ファンド”として話題を集めた「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」について、投資先企業と共同出資会社を設立して日本への進出を後押しする計画を明らかにした。2017年10月27日に都内で日本IBMと共同開催した人工知能(AI)関連サービスのイベント「AI Business Forum」で語った。

日本IBMのエリー・キーナン社長(左)とともに登壇するソフトバンクの宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)
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 同イベントの基調講演に登壇した宮内社長はAIやIoT(インターネット・オブ・シングス)などの先進技術によって「成長産業に変貌しつつある領域が3つある」と指摘。自動車や自転車のライドシェアに代表される「シェアリングエコノミー」、IoTや自動運転車などに代表される「コネクテッドエコノミー」、そしてネットサービスなどを通じた個人の評価を集積して、貸し付けなどのサービス提供条件に反映させる「スコアリングエコノミー」である。

 ソフトバンクはこの3つの領域に着目して成長戦略を描き、直接投資もしくはSVFを通じた投資を集中させているという。そのうえで宮内社長は「全ての投資先と日本でジョイントベンチャーをやっていこうと考えている」と話した。実際に日本進出を後押しする投資先の事業分野として、ライドシェア、農業、医療・製薬、バイオ、ロボット、自動運転、セキュリティなどを挙げた。

 ソフトバンクグループの直接投資先やSVFの投資先のうち、最近日本に進出した企業としてはシェアオフィスの米ウィーワークがある。

 そのほかの投資先には、衛星インターネットの米ワンウェブ(OneWeb)、自動運転の米ナウト(Nauto)、室内農業の米プレンティ(Plenty)、オンライン融資の米ソーファイ(SoFi)、がん検査の米ガーダントヘルス(Guardant Health)、サイバーセキュリティを手掛けるイスラエルのサイバーリーズン(Cybereason)などがある。近年に投資した3つの成長領域のスタートアップ企業だけで数十社あり、これら全てが「日本進出」を後押しする対象になりそうだ。