デルとEMCジャパンは2017年10月20日、社内の情報システム担当者が1人しかいない、いわゆる「ひとり情シス」状態にある中堅企業向けのサービスを拡充すると発表した。ひとり情シス状態でITに詳しくない担当者を想定し、必要な知識を提供するeラーニングサービス「ひとり情シス大学」などを提供する。

 ひとり情シス大学は全部で150の講座を提供する予定。初級編は「初めてのひとり情シス」と題し、ベーシックスキル、技術スキル、コミュニケーション、ITガバナンスの4分野で18科目90講座を提供する。応用編「ひとり情シスエキスパート」は人材系、開発系、コミュニケーション、思考系の4分野で12科目60講座を用意。3講座から提供を始め、2018年4月から本格的に開始する。

 初級編のベーシックスキルの科目の1つである「自社環境把握」は「情報システム部門の担当者に就任したら実施すべきこと」を5日間にわたって解説。「経営企画部門といったまったくITと異なる部門から、引き継ぎもなく情報システム部門に異動した場合に、最初に実施すべき事柄を説いた講座になる」と、ひとり情シス大学の校長を務めるデルの木村佳博インフラストラクチャ・ソリューションズ事業本部広域営業部長は説明する。

デルの木村佳博 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業本部 広域営業部長
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 ひとり情シス大学のほかにも、両社は「ひとり情シス」の中堅企業に向けた支援サービスを3つ発表した。「ひとり情シスコミュニティ」サイトの開設、「可視・定額型サポートメニュー」と「終活ソリューション」の提供――である。

 ひとり情シスコミュニティサイトはQ&Aコーナーを設け、ひとり情シス状態の担当者同士にコミュニケーションの場を提供する。Q&Aコーナーに回答するとポイントを付与して、場の活性化も促す。「オフ会も開催予定」(木村部長)という。

 可視・定額型サポートメニューは作業代行サービスだ。情報システム部門の日常業務で発生しがちな「マスターイメージの作成」「プリンターの設定」「OS、ファームウエアのインストール」といった定型作業を有償で代行する。マスターイメージの作成は2000円程度から想定しているという。

 終活ソリューションは現状のIT環境を可視化したり、障害発生時の復旧を支援したりするサービス。「可視化によってひとり情シスに何かあった場合でも引き継ぎやすくなる。さらに、ひとり情シスの場合、インターネットが切断されてしまうと復旧ができないケースが多く、こうした状況を支援するサービスもニーズが高い」と木村部長はみる。

 デル製品の利用者はひとり情シス大学とひとり情シスコミュニティサイトを無料で使える。「これまでの統計によると中堅企業の70%はデルと何らかの取引がある。既存顧客を対象にしているだけでも、多くのひとり情シスをカバーできている」とデルの清水博執行役員広域営業統括本部長は話す。

 デルは従業員数100~1000人未満の企業を中堅企業と定義している。「2017年に入ってからひとり情シス状態にある担当者1500人と面会したり、アンケートを数回実施したりした。その結果を基に、今回のひとり情シスの担当者の悩みに応えるサービスを拡充した」(清水執行役員)。デルは2017年1月から、中堅中小市場向けの営業強化の一環でひとり情シスの支援サービスを打ち出している。