ソフトバンクは2017年10月19日、PCの定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)事業に乗り出すと発表した。RPAツールなどを取り扱うRPAホールディングス(東京・港)の協力を得て、RPAソリューション「SynchRoid(シンクロイド)」の提供を2017年11月1日に始める。

RPA事業を発表するソフトバンクとRPAホールディングスの首脳陣
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 ソフトバンクの今井康之代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)は同日開いた説明会で、「当社はかねて、働き方改革の一手段としてRPAをオフィスワークの現場に適用し、大きな成果を得てきた。顧客企業にもぜひ提供したいと考え、RPA事業を始めることにした」と狙いを説明した。

ソフトバンクの今井康之代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)
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 同社は3年ほど前からRPAの適用を進めてきた。例えば、営業部門では「顧客からメールで受け付けた見積もり依頼に基づいて商品や価格を社内システムで検索。その結果を反映した見積書を作ってメールで返信する」という作業にRPAを適用。RPAの適用前は15分かかっていたが、適用後は3秒で終わるようになった。現在、社内の26部門でRPAを適用し、月に9000時間の手作業を削減できているという。

 今井副社長は、「働き方改革を進めたくても、実現手段を見極めきれていない企業が多い。そんな中、顧客企業にRPAを紹介すると、好反応が得られる。以前から取り組むロボットやAI(人工知能)と並ぶ事業の柱として、RPA事業に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

 説明会には、2017年7月の業務提携を受け、SynchRoidの共同開発に携わったRPAホールディングスの高橋知道代表取締役も登壇した。RPAホールディングスは、2008年からRPA事業を手掛けてきたRPAテクノロジーズを擁する。これまで200社にRPAを導入した実績を持つ。

RPAホールディングスの高橋知道代表取締役
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 高橋代表取締役は、「ソフトバンクが掲げる『情報革命で人々を幸せに』といったビジョンに共感して業務提携した。今回の提携やサービス開始を契機に、PCやWeb、スマートフォンと同じくらい、RPAがごく当たり前に使われるツールになるよう、普及を進めていきたい」とした。

 SynchRoidは、RPAの開発実行環境とサポートサービスで構成。開発実行環境は1ユーザーから利用できる「ライトパック」と、複数ユーザーで同時利用できる「ベーシックパック」の2種類を提供する。料金は、ライトパックの1ユーザーが年90万円、ベーシックパックの10ユーザーが月60万円など。

 サポートサービスは、まず「マニュアル・保守サポート」「最新事例のナレッジ提供」「導入支援ワークショップ」などを11月に提供。12月からは、顧客企業内でSynchRoidを使った開発スキルを学べるeラーニングと、開発者のスキルレベルを判定する検定試験の提供を始める予定だ。