国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)など7機関は2017年10月4日、嗅覚IoT(インターネット・オブ・シングズ)センサーの実証実験を行う「MSSフォーラム」を2017年11月1日に発足すると発表した。空気中の分子を検知する「膜型表面応力センサー(MSS:Membrane-type Surface stress Sensor)」を活用する企業や団体を公募し、技術の標準化に向けて課題を洗い出すのが狙いだ。

 「人の五感に対応するセンサーのうち、嗅覚センサーは発展途上だ。企業はMSSフォーラムに参加して技術を活用してほしい」。MSSを開発するNIMSの吉川元起グループリーダーはこのように述べた。

国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点ナノシステム分野ナノメカニカルセンサグループの吉川元起グループリーダー
[画像のクリックで拡大表示]

 MSSセンサーは空気中の分子を吸着する「感応膜」を持つ。分子が吸着すると感応膜に表面応力が生じる。これを電気信号に変換することで、空気中の分子を検知する。応用例には匂いによる西洋ナシの熟度推定がある。あらかじめ熟度と匂いの関係を計測したデータを準備しておけば、針を刺して計測する従来の破壊検査が必要なくなるという。

 酒類のアルコール度数も推定できる。あらかじめ複数の酒の匂いを測定しておく。匂いとアルコール度数と組み合わせた学習データを機械学習に入力すれば、学習に用いなかった未知の酒のアルコール度数を推定できる。

 MSSフォーラムに入会すると、MSS標準計測モジュールや技術説明書、データ収集環境が提供される。収集したデータを分析できるクラウド上の人工知能(AI)基盤も利用できる。一方で、技術検証の結果をMSSフォーラムに報告する義務が生じる。2017年11月1日に入会機関の第一次募集を開始する予定だ。