米Intelは2017年10月3日(米国時間)、同社の前CEO(最高経営責任者)であるPaul Otellini氏が10月2日に死去したと発表した。Otellini氏は2005年にIntelの第5代CEOに就任し、2013年5月にCEOを退任するまでに同社の売上高を340億ドルから530億ドルにまで成長させた。

 Otellini氏の功績の一つが、米AppleによるIntel製プロセッサの採用だ。Appleの故Steve Jobs氏が2006年1月の「Macworld」の基調講演でIntel製プロセッサ搭載「MacBook Pro」などを発表した際には、Otellini氏が半導体工場の作業着に身を包んで壇上に現れ、シリコンウエハーをJobs氏に手渡してみせた(写真)。

写真●IntelのPaul Otellini氏(右)とAppleのSteve Jobs氏(左)
(撮影:中田 敦)
[画像のクリックで拡大表示]

サーバー市場でのシェアを高める

 Otellini氏がCEOに就任した当時、Intelは「x86プロセッサ」の64ビット化で米AMD(Advanced Micro Devices)の後塵を排し、特にサーバー市場でAMDの攻勢を許していた。2006年第1四半期時点でx86サーバープロセッサ市場におけるAMDのシェアは22.1%にも達していた(米Mercury Research調べ)。

 しかしOtellini氏が投入した64ビット対応「Xeon」は、AMDの「Opteron」だけでなく、米Sun Microsystems(当時)や米IBMなどのRISCプロセッサにも勝利を収め、Intelのサーバープロセッサ市場におけるシェアは99%を超えるまでになった。Otellini氏は、現在のデータセンター市場におけるIA(Intel Architecture)プロセッサの地位を築いたCEOだった。その一方でPC以外のモバイル市場では、英ARMのアーキテクチャに基づく「ARMプロセッサ」に対して苦戦した。

 1950年12月に米サンフランシスコ市で生まれたOtellini氏は、University of San Franciscoで学び、University of California, Berkeley(UC Berkekey)でMBAを取得すると同時にシリコンバレーにあるIntelに就職したという「地元育ち」だった。IntelのCEO退任後も、サンフランシスコ交響楽団など地元の非営利団体の経営に関与するなど、地元に貢献し続けた。