データ管理サービス専業の米トレジャーデータ日本法人は2017年7月11日、顧客データの永続的な収集・分析が可能な「TREASURE CDP」サービスの提供を始めた。Webの閲覧データやPOSデータなどを蓄積し、外部のサービスと連携できる。GoogleやAmazon.com、Facebookといったクラウドサービス並みのデータを活用できるとして、大規模データを使った企業の広告配信やCRM(顧客関係管理)を支援する。

米トレジャーデータの芳川裕誠CEO(写真左)と太田一樹CTO(同右)。
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 「企業のファイトバック(反撃)を支援する」。トレジャーデータの芳川裕誠CEO(最高経営責任者)は、新サービスの狙いをこう表現する。現在、Webの閲覧履歴やSNS利用履歴といったデータを自由に使えるのは一部の大手ネット企業に限られる。新サービスによって、一般の企業でも大規模なデータ分析インフラを利用できるようにする狙いだ。

 CDPは氏名やメールアドレス、住所などの顧客情報を軸にしたデータの収集・分析が可能なサービス。オンライン広告、マーケティングやCRM、ユーザーの属性や行動履歴などに関わるデータを横断的に扱える。顧客管理向けのサービスとしては、顧客データを分析して広告配信システムと連携させる「TREASURE DMP」に続く第2弾のサービスだ。DMPの機能はCookieやiOSの広告用ID(IDFA)の単位で管理するにとどまっていた。

パーソナライズド型データ収集・分析サービス「TREASURE CDP」のサービス構成。
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 顧客の個人情報を永続的に管理するCDPサービスの開始に当たり、同社は米軍の米海兵隊や国防・宇宙産業などで30年以上のセキュリティ責任者を務めた実績があるポール・キップ・ジェームス氏をCISO(最高情報セキュリティ責任者)として採用した。同氏はISO27001認証の取得や、内部統制が一定水準を満たしていることを示すSSAE16報告書およびSOC 2 Type2報告書の取得などを指揮したという。

 トレジャーデータは同日、「Fluentd Enterprise」の国内提供も開始した。Fluentd Enterpriseはトレジャーデータ共同創業者の古橋貞之氏が開発したデータ収集のオープンソース・ソフトウエア(OSS)である「Fluentd」の商用版。データ収集用プラグインをセキュリティテスト済みの実行ファイルとして実装し、コンサルティングを提供するなど、企業向けの機能とサービスを付加している。米国では2017年5月に提供済み。

 価格はTREASURE CDP、Fluentd Enterpriseとも個別見積もり。初期費用は無料で、月額課金で利用できる。

 米トレジャーデータは2011年12月に分散処理基盤の「Hadoop」をクラウド化したサービスを主軸に創業した。大規模対応を自社開発で進め、現在は独自のデータ収集・分析基盤を事業の核とする。2017年7月時点で300弱の顧客から100兆件超のデータを預かる。