「2018年3月期の決算では、20年ぶりに営業利益が過去最高を更新する見通しだ。第2期中期経営計画の最終年度でもある今こそ、社長交代に最適なタイミングであると判断した」。ソニーの平井一夫社長兼CEO(最高経営責任者)は2018年2月2日、社長交代の記者会見の場でこう語った。

ソニーの平井一夫社長兼CEO(最高経営責任者)
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 後継者は、吉田憲一郎副社長兼CFO(最高財務責任者)。2018年4月1日付で社長兼CEOに就任する予定だ。2017年12月に平井社長が後継者として推薦した。「戦略的な思考」「リーダーシップ」「幅広い事業分野についての知識」の3点が人選のポイントだったという。

 吉田副社長は1959年生まれの58歳。平井社長の1歳年上になる。それでも、平井社長は「今のタイミングで次のソニーを率いるリーダーを選ぶならば、最もふさわしい人物」と紹介した。

ソニーの次期社長に就任予定の吉田憲一郎副社長兼CFO(最高財務責任者)
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 吉田副社長がCFOに就任したのは2013年12月のこと。それまではグループ会社のソネット(現在はソニーネットワークコミュニケーションズ)の社長を務めていた。平井社長がソニーに呼び、以来、平井社長と二人三脚で財務体質の改善に努めてきた。

平井社長(左)と吉田副社長
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 吉田副社長は「20年ぶりに最高益を迎える見通しがついたことはとても喜ばしいが、逆に言えば、20年間、過去の自分を超えられなかった会社である。その間、世界市場での当社の地位は激変した。テクノロジー企業がひしめく世界の時価総額ランキング上位に、当社が入っていないことに危機感を抱いている。ソニーもテクノロジー企業であるからだ」と現状を分析した。その上で社長就任に向けて「今の業績に慢心することなく、高収益を維持することが今後の私の責務」との抱負を語った。