内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は2018年2月1日、サイバーセキュリティ月間のキックオフサミットを開催した。政府はサイバーセキュリティに対する取り組みを重点的に推進するため、2月1日から3月18日までを「サイバーセキュリティ月間」としている。キックオフサミットは、東京・六本木の「ニコファーレ」で開催。ニコニコ生放送でも中継された。

イベントで挨拶する東京電機大学学長の安田浩氏
[画像のクリックで拡大表示]

 全国5地域と中継して実施した「全国津々浦々・サイバーセキュリティ普及啓発」では、子供や親世代、高齢者に対し、インターネットの安全に関していかに普及・啓発していくかのベストプラクティスを共有した。

 大阪府堺市の「パソコンボランティアWing」の吉田恵子氏は、現在セキュリティ啓発を前面に押し出したイベントを実施している。2011年にパソコン講師4人で立ち上げたWingだが、需要はセキュリティ関連のイベントに移っているとした。「子供たちがどんどんスマートフォンなどを使いこなす一方、保護者やその上の世代は置いてけぼり」と話し、子供と親世代でともに勉強していくことが重要とする。スマホの所有が低年齢化していることも言及。「小学校入学と同時に、子供用の携帯電話ではなく、いきなりスマホというケースが増えている」という。

 啓発活動は「もうからない」との発言もあった。ビジネスとしての民間企業のニーズは高まるが、草の根の啓発活動における人材は「ボランティアが中心」(吉田氏)と運営の厳しさにも言及した。

 資金が集まりづらい啓蒙活動なだけに、自治体などの協力も重要になってくるという。長崎県立大学の加藤雅彦教授は、長崎県が県を挙げてセキュリティに関して注力していると話した。加藤氏が所属する情報セキュリティ学科も昨年新設されたばかりだ。一方で、学生が大学の卒業後に就職先として福岡県や東京都に流れることについての危機感も吐露。県を挙げた企業誘致のような活動も展開している実態を紹介した。

 北海道情報セキュリティ勉強会の八巻正行氏は、知識や啓蒙の大切さは当然としながらも、それ以前に親子のコミュニケーションの大切さを身に染みていると話した。「特に田舎のほうだと親子間の会話ができていたり、地域のつながりが強かったりするので、ネット利用についてもしっかりと会話されているケースが多い」と地方ならではの特徴も挙げた。