NECは2018年1月30日、2017年4~12月期決算を発表した。売上高は前年同期比9.9%増の1兆9713億円、営業利益は143億円だった。前年同期の営業損益は170億円の赤字だった。2017年1月から日本航空電子工業を連結子会社にして公共分野や官公庁向けの「パブリック」事業が増収増益になったことが寄与した。2018年3月期通期見通しは売上高が前年比6.2%増の2兆8300億円、営業利益が同182億円増の600億円、最終利益が同127億円増の400億円。

 2017年4~12月期の売上高をセグメント別に見ると、パブリック事業が前年同期比39.6%増の6299億円、製造業や流通業、金融業など企業向けの「エンタープライズ」事業が同2.5%減の2912億円、通信事業者向けの「テレコムキャリア」事業が同3.1%減の4032億円、サーバーやPOS端末などのハードウエアを手がける「システムプラットフォーム」事業が0.9%増の5088億円、海外事業やエネルギー事業を含む「その他」が11.8%増の1900億円だった。

 2018年3月期通期見通しは、2017年10月時点の見通しに比べて売上高を300億円、営業利益を100億円上方修正した。消防救急デジタル無線の入札における談合で指名停止を受けた影響が想定より小さかったことや、新たに連結対象にした子会社の業績が改善したことが影響した。

 通期のセグメント別売上高は、パブリック事業で24.6%増、その他で11.8%増を見込むが、エンタープライズ事業は0.9%減、テレコムキャリア事業は5.1%減、システムプラットフォーム事業は1.4%減と予想する。NECが「想定以上に既存事業が落ち込んだ」(新野隆社長)として2016~2018年度の中期経営計画を破棄するきっかけとなったテレコムキャリア事業は苦戦が続く。

NECの2015~2017年度のセグメント別業績。2017年度は予想
(出所:NEC)
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 NECは同日、国内3000人の削減や国内9カ所の製造拠点の再編、テレコムキャリア事業の構造改革などを柱とする2020年度までの新しい中期経営計画を発表した。政府がデフレ脱却のために3%以上の賃上げを要請していることについて新野社長は「3%かどうかは別にして、あるレベルの賃上げは必要だと考えているし、これまでベースアップもしてきた。まだ決まっていないが、(新しい中期経営計画で)人員削減を打ち出したことを組合員に理解してもらいながら具体的な内容をきちんと詰めていきたい」と話した。