ソフトバンクグループが開発・販売するヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」に親権問題が勃発した。同社は2018年1月23日に「報道における元ソフトバンクロボティクス社員のPepperとの関係性を示す表現に関するお願い」と題する文書を発表。一部報道で「ペッパーの父」などと表現されることがある外部の人物について、「父ではない」と反論した。

ソフトバンクグループが開発・販売するヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」
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 その人物とはソフトバンクグループ元社員で現在は家庭用ロボットを開発する「GROOVE X」の社長を務める林要氏だ。林氏はソフトバンクグループ在籍時にPepperの開発に携わり、2015年に退社している。

 ソフトバンクグループは林氏について、同社在籍中に「コンセプト作りやハード、ソフトの技術開発などいかなる点においても(Pepperの)主導的役割を果たしていない」と説明。「Pepperの父」「生みの親」「開発責任者」「開発リーダー」などの呼称は「明らかな誤り」と断言する。「Pepper事業のオーナーとして看過できない。ブランド戦略上、良くない」とも言う。

林氏の記述が残るソフトバンクグループのWebページ
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 ソフトバンクグループは林氏が退社した直後から、林氏を「生みの親」などと呼ぶメディアに対して「事実と異なる」と繰り返し指摘してきた。なぜ今このタイミングで文書を発表したのか。

 ソフトバンクグループ広報に問い合わせると、「両社の担当部門が(水面下で)調整してきた。本人とも直接対話してきた」と回答。突然ではなく、再三にわたり要請していたものの結果が伴わなかったために発表したとの説明だった。

 ただ解せないのは、林氏自身が積極的に「Pepperの父」「生みの親」などと公言しているわけではなく、あくまでメディアが記事にしている点だ。しかも林氏がソフトバンクグループに在籍していた時にPepperについてメディアの取材に対応していたのは事実。正式な肩書ではないにせよ、ソフトバンクグループが林氏を開発リーダーなどと紹介することがあったのもこれまた事実だ。

 2週間ほど前の2018年1月11日にはソニーが犬型ロボット「aibo」を12年ぶりに売り出した。対話ロボ市場の新製品として注目を集めるaiboに嫉妬したかのようなタイミングでの発表となった。ソフトバンクグループによれば、Pepper君の父は孫正義会長兼社長だという。